FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会で16強入りした韓国は、地元メディア「朝鮮日報」電子版が20日までに「12年ぶりの16強も『傷』だけ残った韓国サッカー」との見出しの評論記事を公開し、「最もうらやましかった国家は日本」と報じた。

韓国は3大会ぶりに1次リーグを突破したが、決勝トーナメント1回戦でブラジルに1-4で敗れた。

同メディアは「大きな夢を見て、再び4年を設計しなければならない」と提起。パウロ・ベント監督が今大会限りで退任するとあって、「今後4年をどのような目標と哲学を持って代表チームを運営するか、頭を悩ませなければならない」とし、新監督が描くビジョンが重要だと強調した。

その上で「今回のW杯を現場で取材しながら、最もうらやましかった国家は日本」と展開。森保一監督の采配に注目した。1次リーグ第2戦コスタリカ戦で、初戦ドイツ戦から先発5人を入れ替えた決断や、3バックへのシステム変更などを挙げ、「グループリーグから、徹底的に8強のためにチームを運用した」と評価。準々決勝に進出したとしても、体力面は問題なかったとし、「日本サッカーは著しく成長を続けている」とたたえた。

日韓両国ともに16強だったが、その戦いぶりには差があったと指摘。「グループリーグに全てを注ぎ、ブラジルとの試合で体力の限界を示した韓国サッカーとは次元が違った」と比較した。

韓国は今大会、1次リーグ第3戦で決勝ゴールを決めたMFファン・ヒチャンや、DFキム・ミンジェなど“96年生まれ世代”が活躍。4年後も主力として期待できる選手がそろうだけに、「現在のように、哲学も、目標も、夢もない歩みを続けていけば、『W杯16強』はまた、12年を待たなければならないかもしれない」と警鐘を鳴らした。