スペインリーグの前半戦19節が1月13日までに終了した。“冬の王者”に輝いたのは、公式戦14連勝と勢いに乗るアトレチコ・マドリード(勝ち点44)。昨季の王者レアル・マドリード(勝ち点43)が2位、幸先の良いスタートを切ったものの勢いの落ちたバルセロナ(勝ち点38)が3位につける。欧州チャンピオンズリーグ出場圏内の残りひと枠となる4位にはビルバオ(勝ち点36)が食い込んでおり、欧州リーグ出場圏の5位ビリャレアル(勝ち点30)が追っている。
直近5シーズンのデータを見ると、第19節が終了した時点で5位だったチームが最終的に4位以内に入ったケースは3回あるが、第19節終了時の4位と5位の最大勝ち点差はわずか1だった。今季のように勝ち点6差がついた状態および、6位以下のチームが4位以内でフィニッシュしたケースは1度もない。
これらの状況を踏まえた場合、上位4チームがそのまま欧州チャンピオンズリーグの出場権を獲得する可能性が高いと言える。
その一方、国王杯の結果次第(※スペインリーグを5位以内で終えたチームが優勝した場合、6位のチームにも欧州リーグの出場権が与えられる)で2チームにチャンスがある欧州リーグの出場権争いは熾烈を極めることになりそうだ。
最も有利な位置にいるビリャレアルは、序盤こそ順調に勝ち点を積み重ねていたが、チーム得点王アジョセ・ペレスの負傷離脱、そして開幕時から問題となっていた脆弱な守備がシーズンの経過とともに大きく影響し、直近6試合でわずか1勝と大きく調子を崩している。総失点31はリーグで下から2番目と、5位のチームらしからぬ致命的な欠点を抱えている。
昨季を15位で終え、今季前半のサラリーキャップが10位のマジョルカが、欧州カンファレンスリーグ出場圏の6位(勝ち点30)で前半戦を折り返したことは、サプライズとなった。新加入の浅野拓磨はシーズン開幕時、アラサテ監督の信頼を得て即座にレギュラーの座を確保したものの、残念なことに右足ハムストリングのけがで2カ月以上の欠場を余儀なくされてしまった。先月戦列復帰を果たしたが、チームがハードワークを武器にした堅固な守備で低い得点力をカバーして好結果を出しており、スタメンが固定されつつあることで、現在控えに甘んじている状況だ。
7位につけるのは今季も欧州カップ戦の出場権獲得を目標に掲げるレアル・ソシエダード(勝ち点28)。多くの選手を代表チームに輩出したことと主力選手の退団が大きく影響し、プレシーズンの準備段階から監督の思惑通りに事が運ばず、スタートダッシュに失敗した。リーグ屈指の堅守を誇るも、センターフォワードが機能せずゴール欠乏症に陥り、第9節終了時には降格圏目前の16位にまで落ち込んだ。この悪い流れを断ち切れたのは、チームと共に低迷していた久保建英が復調し始めたことが大きい。前半戦全19試合(先発14試合)に出場し、4得点、マッチMVP5回選出という活躍に触発されたチームが本来の姿を取り戻し始めたことで、欧州リーグ出場権獲得が再び視野に入り始めている。
昨季を予想外の3位で終えたことで注目を浴びたジローナ(勝ち点28)は、前半戦を8位で終えた。主力選手が多数チームを離れ、戦力が大幅ダウン。さらにスペインリーグと初参加の欧州チャンピオンズリーグの両立に苦しんだ。最近になってようやく調子を上げてきているが、まだ勝ちきれない試合が多く、中位から抜け出せずにいる。
近年、欧州リーグ出場権獲得のボーダーラインは勝ち点60~62となっており、上記4チームに加え、9位ラヨ・バリェカノ(勝ち点25)、10位ベティス(勝ち点25)、11位オサスナ(勝ち点25)、12位セルタ(勝ち点24)にもチャンスがありそうだ。この争いを勝ち抜くために各チームが後半戦にどう臨むのか、優勝争いとはまた別の、多くのチームがひしめき合う、見応えある熾烈な戦いが繰り広げられることになるだろう。
【高橋智行】(ニッカンスポーツコム/サッカーコラム「スペイン発サッカー紀行」)




