大迫勇也が所属するケルンが残り3試合で最下位と低迷し、ブンデスリーガ2部降格の危機に陥っている。しかし中心選手のマルコ・ヘーガーや守護神ティモ・ホルン、さらには欧州のビッグクラブが獲得を目指していたと言われるドイツ代表ヨナス・ヘクターまでもが、同クラブに残ることを早々に表明した。

 では、ファンの心を大いに打った彼らの忠誠心は、果たしてどこからやってくるのだろうか? ケルンのプリンスとしてドイツ代表まで上りつめ、現在はヴィッセル神戸でプレーするルーカス・ポドルスキが、大衆紙「ビルト」に寄稿し、その理由を語っている。

 同紙の中でポドルスキは、「私の経験から言えることは、ケルンのファンが唯一無二の存在だということ。街中、練習場、スタジアム…ケルンではどこにいても、ファンの愛情を感じることができる。こんな町、他には存在しない。さらに、もしその選手が下部組織出身だとしたら、ケルンというクラブ、そしてこの町の存在が、彼の心に刻み込まれるんだ。誰もがこの町を“故郷”だと感じるんだよね」と記している。

 そしてポドルスキのように厳密にはケルン生まれでなく、他所からやって来た者にとっても、そこは特別な気分を味わえる魅力的な都市だという。

 「ケルンでは異なったルーツを持つ多くの人々がともに生きていて、異なった国籍を持つ人でもたちまちこの町に溶け込んでしまう。その理由は明確だ。ケルンの人は世界に対してオープンで、肯定的に生きる感覚を持っているからだ。私にとってケルンは故郷。そしてホルンやヘクターも、きっと同じような気持ちなんじゃないかな」。

 主力3人の残留表明は、その他の選手が今後下していく意思決定にも、大きな影響を及ぼすはず。たとえ来季の舞台が2部になろうとも、ファン、クラブ、選手が強い愛情で結ばれていることを証明したケルンの将来は、決して暗いものではないのかもしれない。