ポルトガル1部でポルティモネンセFW中島翔哉(23)が今季10ゴール目を挙げた。敵地でのベレネンセス戦の前半14分、左足ループシュートで先制ゴールを決めた。欧州主要リーグ1年目での2桁得点は、98-99年ペルージャ中田英寿以来の快挙。同39分にもアシストをマークする活躍だった。チームは2-3で逆転負けしたが、3月に日本代表デビューした「新兵器」が、ワールドカップメンバー入りへ大きくアピールした。

 鮮やかなゴールだった。前半14分、中島は16年に鹿島でプレーしていたファブリシオからのスルーパスに抜け出す。飛び出してきたGKと1対1になると、冷静に相手の頭上を抜くループシュートで球をゴールに放り込んだ。

 これで当初から目標にしていたシーズン10点目。日本から欧州主要リーグに移籍して初シーズンでの10得点は、ペルージャ(当時セリエA)中田英の10点以来となる。前半39分にはペナルティーエリアの左から中央のファブリシオに“お返し”のパスを送って、ゴールをお膳立てし、今季8アシスト目とした。

 3月の代表初招集が決まる前の2月16日フェイレンセ戦以来のゴールだ。前節スポルティング戦ではチャンスに決められず「今日は特にゴールを強く意識してプレーしたので、決められず、すごく悔しい」と話していた。さらに「最近ゴールが取れない。(目標の)10得点ではなく、残り2試合でより多く点を取りたい」と意気込んだ。そんな気持ちがこの日はやっと結果に結びついた。

 3月親善試合マリ戦に途中出場で代表デビューし、後半ロスタイムに初ゴールとなる同点弾を決めた。続くウクライナ戦は得点こそならなかったが、後半34分からの出場でチーム内最多の3本のシュートを放った。身長164センチの「小さな新兵器」は、その存在感を着実に大きくしている。

 ◆欧州主要1部リーグでの日本人シーズン2桁得点 過去に8人、12度。欧州移籍1季目で2桁得点は、98-99年にMF中田英がセリエAのペルージャで10得点して以来、中島が2人目。MF香川はドルトムントで11-12年に13ゴールを挙げているが、欧州移籍2季目。マインツ時代に2度記録しているFW岡崎も初の2桁得点は欧州移籍4季目だった。