2016年11月28日に、南米のカップ戦コパ・スダメリカーナ(南米杯)決勝が行われるコロンビアに向かう途中、飛行機の墜落事故に遭ったブラジル1部シャペコエンセの、悲劇と再生する姿を追ったブラジルのドキュメンタリー映画「わがチーム、墜落事故からの復活」(マイケル&ジェフ・ジンバリスト、ジュリアン・デュケ監督)が、7月6日から日本で公開されることが30日、緊急決定した。東京・新宿ピカデリーなどで公開される。

 シャペコエンセは、ナシオナル・メデジン(コロンビア)との決勝第1戦に出場するため、ボリビアからコロンビアのメデジンに向かう途中、飛行機がコロンビアの山中で墜落し、乗客77人中71人が死亡した。死亡した中には、13年に22得点でJ2得点王になった元千葉、C大阪のFWケンペス(34)、05年に柏、07年から10年までAマドリードに所属したMFクレーベル(35)、10年に京都に所属したDFチエゴ(30)、15年に川崎Fに在籍したMFアルトゥール・マイア(24)、09年に神戸を率いたカイオ・ジュニオール監督(51)といった、Jリーグに在籍した面々もいた。

 重傷を負いながら生き残ったのは、頭蓋内にできた血腫を除去したDFエリオ・ネト、右足のひざから下を切断したGKジャクソン・フォルマン、左足と脊椎を骨折したDFアラン・ルシェウの3人だけだった。シャペコエンセは、合同葬儀の翌日にゼロからの再出発を始め、バグネル・マンシーニ監督を招聘(しょうへい)し、残った3人に加え期限付きを含めて新たに25人と契約し、ユースから9人を昇格させた。

 映画は、かけがえのないチームメートを一気に失った喪失感の中、過酷なリハビリに耐えてチーム再建のシンボルとしての重責を担う3選手を中心にチームに密着。遺族とクラブ経営陣の亀裂、航空会社の倒産で補償問題が進展しない中、小さな子供を抱える未亡人たちの不安、事故を免れた既存選手の新チームへの戸惑い、勝ちに執着する新監督との軋轢、クラブを愛するサポーターたちのジレンマまで赤裸々に紹介。そしてチームが再びアイデンティティーを見つめ直し、17年5月サンタカタリーナ州選手権で優勝するなど快進撃を続け、復活したシャペコエンセを描く。