トルコ1部リーグのアランヤスポルに所属していたチェコ代表MFのヨセフ・シュラル氏の死亡事故について、トルコの複数のメディアが30日、その詳細について報じている。

 

◆TRTスポル電子版

選手たちを乗せたVIPミニバス車が居眠り運転により事故を起こした。ヨセフ・シュラル選手は運ばれた病院にて大量出血による低体温ショックのため、29日の朝亡くなった。

同日午後6時30分からアランヤスポルの練習場にてお別れ会が行われ、選手、監督、経営陣、サポーター、サッカー、政治関係者一同、メブルット・チャウシュオール(トルコ外務大臣)らがかけつけ、涙の止まらない悲しいお別れ会となった。

チャウシオール外務大臣は、スラルの家族に対し大臣専用機にて故郷のチェコへ送迎することを約束し、「彼は我々の貴重なサッカー選手だけでなく、国として今後もケアを怠らず続けていくであろう。このような事が起こって残念でならない。スラルの家族の方は、今後も我々の家族です。忘れることはありません。心からお悔やみ申し上げます」と話した。

話が終わると、参加者たちは、スラルの棺の上に黒いカーネーションを置き、涙が止まらない悲しいお別れ会となった。スラルの遺体の入った棺は、アンタリアからイスタンブールへ飛行機にて運ばれ、30日の便でチェコへ運ばれることになっている。家族は大臣専用機にて昨晩、チェコへ向かっている。

 

◆トルコ・ミリエット紙

ヨセフ・スラル選手が事故死した件で、セルゲン・ヤルチン監督がインタビューに答えた。

「昨晩、我々は全く眠れなかった。家族の一員を亡くし、悲しみとショックは想像以上に大きい。つらく悲しいです。選手たちの状態もかなりつらい状況で。こんな運命があるなんて。この状況をどうやって乗り越えたらいいのか。それを考えていますが…。

事故当時に一緒にいた選手がいる。彼らの精神状況は、はかりしれないものがあり、どうやって次の試合に臨むのか、練習ができるのか、わからない。スラルは、とても熱心に練習をし、ポジティブで笑顔の絶えない選手でしたから。試合後にはいつも2日間の休暇を与えられていて、昨日の夜は選手たち皆、自由に移動していた。

我々は試合をする状態ではない。決断は会長がするのですが、この選手たちの状況でどうやって練習するというのでしょうか。毎日一緒にいた人がもういないのです。1週間、2週間ぐらいで、それを乗り越えることは不可能です」

同乗していた選手たちの中に、元イングランド代表DFスティーブン・コーカー、セネガル代表FWパピス・シセらが含まれていた。

 

◆ヒュリエット電子版

事故当時運転していた2人は、居眠りしていたため、事故状況を覚えていないと話しているという。車の運転席と助手席に座っていた2人が両者とも居眠りしていたようだ。

目的地のアランヤ市内中心地へ5キロのところで事故が発生している。ジョセフ・スラルの死亡原因が運ばれた病院の医師から発表され、病院へ担ぎ込まれた当時、頭、胸、足、腕、足首など骨折、損傷が見られ、緊急チームが対応したが、内臓出血がひどく、脳内出血も激しく、出血多量による低体温ショック死により、29日の朝、病院にて息を引き取った。

事故の際、車が水路に転げ落ち、その際に右側の扉が開いた。スラルは外へ投げ出され、10メートル引きずられたという。その他の選手は軽症で済み、当日退院している。

スラルは1月に移籍してきたばかりで「アランヤは家族で一緒に住めるところです」と語っていたという。(オルムシュ由香通信員)