日本代表MF久保建英の入団が決定的となっているスペイン1部ビリャレアルが10日から新シーズンに向けて始動する。スペイン紙アスは同日、「エメリ時代のスタート」と題し、今季のチームについて特集した。

今季就任のウナイ・エメリ監督が最後にスペインで指揮を執ったのは2015-16シーズンのセビリア時代のことで、欧州リーグ3連覇を置き土産に2016年夏、パリ・サンジェルマンの監督に就任。そしてアーセナルを経て、今季、4年ぶりにスペインへ戻ってきた。これまで監督としてスペイン1部リーグ469試合を戦った経験がある。

フェルナンド・ロッチ会長はビリャレアルが近年欠いている成功を成し遂げるため、今季のリーグ戦を5位で終え欧州リーグ出場権を獲得したハビエル・カジェハ監督を解任するという難しい決断を下した。そして従来の監督選びのやり方を変更し、経験豊富なエメリにクラブの今後3年間のプロジェクトを託すことを決定した。

なぜならビリャレアルはスペイン1部リーグ初昇格を成し遂げた1997年からクラブの方針としてトップチーム監督についてはフアン・カルロス・ガリードやフリオ・ベラスケス、ハビエル・カジェハなど、クラブの人間に任せるか、キャリアを大幅に飛躍させる前のマヌエル・ペジェグリーニ、エルネスト・バルベルデ、マルセリーノ・ガルシア・トラルなどを招いており、ビッグクラブを渡り歩いてきた監督に指揮を任せたことがなかった。

大きな期待を抱かれながら新シーズンに向けて動きだすエメリ監督にとって、久保が最初の新入団選手になる予定である他、クラブはバレンシアのダニ・パレホとフランシス・コクランの獲得交渉を行っている最中である。

またフラムからの期限付き移籍でプレーしたザンボ・アンギサの残留を望んだが、買い取りオプションが2500万ユーロ(約30億1250万円)で、バレンシアの2選手の獲得費用と同じか少し高いため、断念したと伝えられている。

ビリャレアルは10日よりメディカルチェックを開始し、12日より練習をスタートする予定になっている。

(高橋智行通信員)