レアル・マドリードは今夏、フランス代表FWキリアン・エムバペ(22)の移籍金として2億ユーロ(約260億円)のビッグオファーを提示しながらも、パリ・サンジェルマンに拒否されて実現できなかった。しかし、来季の獲得に向けすでに動きだしており、エムバペのパリ・サンジェルマンとの契約が来年6月30日で切れるため、選手と自由に交渉できるようになる1月1日の契約締結を目指していると、さまざまなメディアで伝えられていた。

その状況下、スペイン紙マルカは5日、Rマドリードのエムバペの来夏獲得に関して移籍金は発生しないものの、莫大(ばくだい)な契約ボーナスなどが必要になるため、無料で獲得することができないと報じている。

同紙はその理由として、獲得のライバルが多数存在する可能性が高いことを挙げている。エムバペ自身はRマドリードでプレーすることを希望しているが、移籍金がゼロであるため、当然のことながらRマドリードよりも高額の給料を支払うことをいとわないクラブからのオファーが殺到するとみられている。

同紙は、Rマドリードがエムバペを獲得する場合にかかる費用についてクラブに近い関係筋やさまざまな代理人に推測してもらい、年俸を除いた契約ボーナスや手数料を合わせた出費が8000万ユーロ(約104億円)に達する可能性があると伝えている。

一方、フランス国内では、パリ・サンジェルマンが来夏、エムバペを無料で放出しないで済むように、Rマドリード移籍を認める条項を盛り込んだ契約延長オファーを提示し、エムバペを説得することを検討している可能性があると報じられている。現時点でうわさにすぎないものの、パリ・サンジェルマンにとってはこれがエムバペの移籍金を得るための唯一の手段になるとみられている。

同紙は最後に「エムバペの件に関して、今から1月1日までの間にあらゆる選択肢があるが、いかなる場合もエムバペがRマドリードに無料で加入することはない」と莫大(ばくだい)な費用が必要になることを強調し、締めくくっている。

(高橋智行通信員)