ブンデスリーガのドルトムントが来季、日本代表MF鎌田大地(26=アイントラハト・フランクフルト)獲得に向けて本格調査を進めていることが23日、分かった。

Eフランクフルトとの契約が今季までとなっている鎌田は、クラブ史上初の欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント進出に貢献するなど飛躍。プレミアリーグのエバートンなども名前が浮上する中、同国リーグの強豪が獲得競争に参戦した。

日本代表の中心となってきた鎌田に対し、ブンデスリーガの名門ドルトムントが獲得に向けて本腰を入れた。クラブ関係者によると、所属のEフランクフルト今季までの契約となっている鎌田がすでに新シーズンの補強候補としてリスト上位に挙がっているという。昨年2月には同国の王者バイエルン・ミュンヘンから1ゴール1アシストを奪ったこと、欧州CLでのパフォーマンスが高く評価されている。

新天地をめぐっては、英メディア「Forbes」が、プレミアリーグの複数クラブも興味を示していると報じている。中でもエバートンが強い関心をもっているとされ、ブンデスリーガから飛び出して新天地を求める可能性も出てきている。

今季開幕前も複数の移籍話がささやかれた。一時はポルトガル1部のベンフィカ加入も取り沙汰されたが、結果的にEフランクフルトに残留。ドルトムントは昨オフも打診をしていたが、正式オファーには至っていなかった。

ドルトムントといえば、ビッグクラブへのステップアップの場になるケースが多い。かつて所属した元日本代表MF香川真司(33=シントトロイデン)はプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド、ポーランド代表FWレバンドフスキはBミュンヘンに、今季もノルウェー代表FWハーランド(22)がプレミアリーグのマンチェスター・シティーへとビッグクラブに羽ばたいた。鎌田が同様な「香川ロード」を進むことも選択肢に入ってくる。

一方で、鎌田の目標は欧州CLで優勝を狙えるクラブでプレーすること。香川はドルトムント加入時に22歳だったが、鎌田は26歳。クラブを変えずとも、Eフランクフルトが躍進している現状もある。本人も「冬に移籍することはないと思う」と、欧州CLの決勝トーナメントも含めて今はクラブに集中している。

W杯カタール大会では日本代表の核として期待されており、好パフォーマンスを残せば、ビッグクラブからオファーが舞い込む可能性もある。早くも強豪から熱視線を送られる男の、W杯でのプレーに注目が集まる。

◆鎌田大地(かまだ・だいち)1996年(平8)8月5日、愛媛・伊予市生まれ。小学生時代はキッズFCに所属し、G大阪ジュニアユース、東山を経て鳥栖入り。3年目の17年夏にEフランクフルト移籍、シントトロイデン(ベルギー)への期限付き移籍を経て19年8月に復帰。今季の欧州チャンピオンズリーグでは日本人初の3試合連続得点。日本代表は19年3月に初選出、国際Aマッチ通算21試合6得点。180センチ、72キロ。家族は夫人と長男。