日本代表主将のリバプールMF遠藤航(31)が、世界王者マンチェスターCとの首位攻防戦に先発フル出場し、1-1の引き分けに尽力した。

持ち味のデュエル強度と縦パスがさえ、相手のベルギー代表MFデブルイネをベンチに下げさせる好パフォーマンスを見せた。試合後にはクラブのマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選出。メンバー発表を14日に控えるW杯北中米大会アジア2次予選の北朝鮮戦(21日=国立、26日=平壌)へ好調を維持した。

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世界最高峰の舞台でも、遠藤が本領を発揮した。ブンデスリーガでデュエル王に輝いた男が、イングランドに渡っても中盤の底に君臨。相手に囲まれても失うことなくゲームをコントロールし、縦パスを供給し、攻撃の起点になった。ピンチになれば、素早い寄せで相手の攻撃の芽を摘んだ。

マンチェスターCのMFデブルイネに中盤を支配させなかった。後半24分、クロアチア代表MFコバチッチと交代でピッチを後に。敵将のグアルディオラ監督は試合後、説明した。「ボールをキープする選手が必要だった。コバチッチは得意だから」。遠藤がベルギーの世界的司令塔を封じ込めたことを物語っていた。

分析を手掛けるThe Tactical Timesによると、遠藤はデュエル勝利数7分の6、タックル成功数4分の4と球際で圧倒。インターセプト数は2、ボール回収率も6を記録した。英BBCの採点でもFWディアス(7・60)GKケヘラー(7・58)に次ぐチーム3位の7・55をマークする内容だった。

試合は前半23分、マンチェスターCに右CKから先制を許したが、リバプールが後半5分に追いついた。バックパスを狙ったFWヌニェスがGKに倒されPKを獲得し、MFマカリスターが決めた。その中で遠藤は起点となるパスを出し、前線に駆け上がった。シュート数だけなら相手の10本に対して19本と上回った。

勝ち点1を積み、首位アーセナルと並ぶ勝ち点64で2位につけた。マンチェスターCは勝ち点63の3位と混戦は続く。遠藤は「1得点だったけど、特に後半はいい攻撃ができた。シーズンが終わった時、この1ポイントがあって良かったと言えれば」。代表では26年W杯で優勝を掲げる。世界と互角以上に渡り合う遠藤が、夢の道の中心にいる。