【ヒューストン(米国)26日(日本時間27日)=永田淳】初出場のカボベルデ(FIFAランキング67位)がサウジアラビア(同61位)と0-0で引き分け、H組2位で1次リーグ突破を果たした。GKボジニャ(40=チャベス)が今大会2度目の完封。決勝トーナメント1回戦では前回優勝のアルゼンチン(同1位)と対戦する。人口約60万人の島国が旋風を巻き起こしている。
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90分を戦い切ったカボベルデイレブンは、ベンチ前に集まった。スマートフォンで同時刻キックオフの同組スペイン対ウルグアイの行方を祈るように見守った。スペイン勝利で2位が確定すると、抱き合い、ぴょんぴょん跳ねて仲間と喜びを分かち合った。スタジアムのカボベルデサポーターからは歓声がわき、感涙する人の姿もあった。W杯の冒険はまだ続く。ボジニャは「僕たちにとって非常に誇らしいこと」と胸を張った。
奇跡とは呼ばせない。優勝経験のあるスペイン、ウルグアイからも勝ち点を手にして、初出場での決勝トーナメント進出を決めた。98年フランス大会のチリ以来となる全試合引き分けでの突破。「多くの人は『カボベルデの選手なんて大したことない』と思っていたかもしれないが、僕たちは高い実力がある。戦うためにここへ来た」。守護神は出場がゴールではなく、カボベルデ旋風の始まりだったと強調する。
欧州出身が多数のメンバーの中、同国で生まれ育ったボジニャは、今大会で一気にブレーク。約5万人だったインスタグラムのフォロワー数は、人口を上回る約1700万人台に突入する人気だ。初戦スペイン戦では米国ビザの発給を断念していた母アナさんの現地観戦も、2戦目ウルグアイ戦からかなった。この日もスタジアムで雄姿を届けた。「国への情熱を示せた。僕たちは小さな国だが、大きなハートを持っている。そしてファイターだ」と母国への愛を語る。
決勝トーナメントに進出した史上最少人口の国となる。次戦の相手は連覇を狙うJ組首位のアルゼンチン。「僕たちにとって素晴らしい経験になる。アルゼンチンやリオネル・メッシ選手と戦うことは、どんなサッカー選手にとっても夢のようなこと」と、最高の舞台での挑戦を心待ちにする。
◆初出場の1次リーグ突破 参加チームが24から32に増えた98年フランス大会以降では、過去5カ国が達成。98年はクロアチアがベスト4進出を果たした。02年はセネガルが8強入り。06年は2カ国が突破しており、ガーナが決勝トーナメント1回戦で敗退(16強)、ウクライナが8強だった。直近では10年にスロバキアが16強。カボベルデは16年ぶりの躍進となる。
◆カボベルデ アフリカ大陸の西、セネガル沖の大西洋に浮かぶ島国。10の島と小さな島々からなり、首都はプライア。かつてはポルトガル領で、75年に独立した。国名はポルトガル語で「緑の岬」を意味する。国の大きさは滋賀県ほど。人口は約60万人で、東京都の八王子市に近い。世界的歌手で04年グラミー賞獲得のセザリア・エボラを生んだ国としても知られる。


