F組2位の日本(FIFAランキング18位)が今夜午前2時からブラジル(同6位)に挑む。「王国」とW杯で対戦するのは06年ドイツ大会(1-4)以来20年ぶり。前回は温存された上に完敗したが、負ければ終わりのノックアウトステージで戦うのは初めて。進化を示す一番となる。
FWカズ(三浦知良)が15歳、高校1年だった1982年(昭57)に静岡学園高を中退してブラジルに渡った。当時「ジャポネス(日本人)=サッカーが下手な選手」と揶揄(やゆ)されており、腹がたっぷり出た中年男性にも「何歳になったってジャポネスには負けんよ」と言われたほどだった。
その中でカズが名門サントスFCとの契約を勝ち取ったのが86年。ちょうど40年前だ。以来、Jリーグの発展とともにブラジルから受けた恩恵は計り知れないが、昨年、ついに1つの恩返しを果たした。
1989年(平元)7月23日の初対戦から2分け11敗(5得点35失点)と全く歯が立たなかったが、東京・味の素スタジアムに迎え撃った25年10月14日、歴史的な初勝利を「王国」から収めた。
前半、難なく2点を先行されて試合も完全に支配されたが、後半に息を吹き返す。MF南野拓実(モナコ)MF中村敬斗(スタッド・ランス)FW上田綺世(フェイエノールト)の計3ゴールで試合をひっくり返したのだ。
これに当時、同国最大手メディアのグロボなどが反応。「史上初の屈辱」と報道した。
前半2点リードから逆転負けを喫するのは「ブラジル連盟(CBF)が1914年に創立されてから111年の歴史で初めて」と伝えた。親善試合を含めた全公式戦の記録をさかのぼった結果、前例がなかったといい「悪夢」「歴史的大事件」「神話崩壊」と大騒ぎになった。
後半途中の2点リードから逆転負けした例は1940年にあり、以来85年ぶりだった。ウルグアイに3-1で勝っていたが、最終的に3-4の試合があったものの、前半2-0からは唯一。それを「ジャポネス」に果たされていた。
今夜、リベンジに燃える本気の相手を返り討ちにできるか。「日本人は強い」と言わしめることができるか。最多5度の優勝を誇るブラジルに今夜、はたして-。改めて、日本サッカーの進化を示す1日となる。


