<第90回箱根駅伝>◇3日◇復路◇箱根-東京(5区間109・9キロ)

 大東大が混戦のシード権争いを制して、10位で次回の出場権と出雲駅伝のキップを獲得した。

 8区吉川(4年)が区間4位と快走し、総合順位も7位まで浮上。しかし9区が区間17位と振るわず、10区スタート時点では、シード圏外の11位まで沈んだ。

 繰り上げスタートがあった関係で、見た目の順位と総合順位が違う、シード権を狙って走るには難しい状況でもあった。しかし今回は前にシード権を直接争う総合10位の法大が走っており、アンカーの大西(4年)は「往路で法大より順位が上だったので、追いつくだけでも総合順位で逆転できて、シードはいけると確信していた」と明確な目標を持って走った。

 「10キロすぎまでは差が詰まらず苦しかった。でもそこからは急に差が縮まったので、これはいけると思った。沿道の応援もすごくて力になった」。20キロすぎで法大をとらえ、歓喜のチームメートに迎えられてゴールした。

 チームは5年ぶりのシード権獲得。大西は主将の吉川とともに、同校苦難の4年間を送ってきた。「箱根のシードと、自分が経験できなかった出雲の出場権を、後輩にプレゼントしたいとずっと思っていた。これをきっかけに、強い大東大の復活に向けてがんばってほしい」。最高の置き土産と、力のこもったエールを残した。