マラソンの男子はジョフリー・キルイ(ケニア)が2時間8分27秒で優勝した。日本勢は2時間12分19秒で9位の川内優輝(埼玉県庁)が最高で、中本健太郎(安川電機)は2時間12分41秒で10位、井上大仁(MHPS)は26位だった。

 女子はローズ・チェリモ(バーレーン)が2時間27分11秒で初優勝した。日本勢は2時間30分36秒だった清田真央の16位が最高で、安藤友香(以上スズキ浜松AC)は2時間31分31秒で17位、重友梨佐(天満屋)は2時間36分3秒で27位だった。

 マラソンで男女日本勢が入賞なしに終わるのは1995年大会以来。

 男子400メートル障害で予選1組の安部孝駿(デサント)は49秒65の2着で準決勝に進んだ。同110メートル障害の準決勝で増野元太(ヤマダ電機)は13秒79の1組7着に終わった。同棒高跳びの荻田大樹(ミズノ)は5メートル45、山本聖途(トヨタ自動車)は5メートル30でともに予選を通過できなかった。

 女子やり投げは日本記録保持者の海老原有希(スズキ浜松AC)が57メートル51のA組13位に終わるなど日本勢3人は決勝に進めなかった。同100メートル決勝はリオデジャネイロ五輪銀メダルのトリ・ボウイ(米国)が10秒85で初優勝し、同五輪覇者のエレン・トンプソン(ジャマイカ)は5位に終わった。


第3日


▽男子3000メートル障害予選

(13)潰滝大記(富士通) 8分45秒81=落選

潰滝コメント 「大会前の合宿で太ももの付け根を軽く肉離れし、走るだけのレースになった。甘くない世界だった」

 

▽男子棒高跳び予選 A組

(15)山本聖途(トヨタ自動車) 5メートル30=落選

山本コメント 「5メートル45の2本目で両ふくらはぎがつった。勢いに乗っていきたかったところで悔しい」

 

▽男子棒高跳び予選 B組

(9)荻田大樹(ミズノ) 5メートル45=落選

荻田コメント 「ずっと負けっぱなしは嫌。この経験を無駄にせずに次につなげないといけない」

 

▽男子400メートル障害予選 1組

(2)安部孝駿(デサント) 49秒65=準決勝進出

安部コメント 「スタートは遅れたが、1台目に焦らず入れた。周りを気にせずに自分のリズムでうまく走れた」


▽男子400メートル障害予選 2組

(5)石田裕介(早大) 50秒35=落選

石田コメント 「経験の差。後半で抜いていこうと思ったが(世界では)前半でついていけないと話にならない」


▽男子400メートル障害予選 4組

(6)鍜治木崚(城西大) 51秒36=落選

鍜治木コメント 「海外勢が伸びてきてから焦ってリズムを崩した。初の海外だったので、この経験を次につなげたい」


▽男子110メートル障害予選 1組

(7)高山峻野(ゼンリン) 13秒65=落選

高山コメント 「日本選手権に比べたら60~70パーセントの状態でピークを合わせることができなかった。(走りに)まだパワーが足りない」


▽男子110メートル障害予選 2組

(4)増野元太(ヤマダ電機) 13秒58=準決勝進出

増野コメント 「中盤までの加速部分でスピードに乗れず、何とか粘った感じ。観客がたくさんいるのでテンションが上がる。楽しい」


▽男子110メートル障害予選 3組

(7)大室秀樹(大塚製薬) 13秒78=落選

大室コメント 「中盤で加速がうまくいかず、体が浮いてしまった。今季一番いい調子だったので、もうちょっといけたと思う」

▽男子マラソン

(1)ジョフリー・キルイ(ケニア)2時間8分27秒

(2)トラ(エチオピア)  2時間9分49秒

(3)シンブ(タンザニア)  2時間9分51秒

 

(9)川内優輝(埼玉県庁)  2時間12分19秒

(10)中本健太郎(安川電機)  2時間12分41秒

(26)井上大仁(MHPS)  2時間16分54秒

川内優輝らメダルならず/男子マラソン詳細


川内コメント 「 悔しいが、自分の中では(力を)出し切れた。(後半は)とにかくひとつでも順位を上げようと、それだけだった。今後もばんばんマラソンを走っていくが、日本代表は責任が重いのできつい」


中本コメント 「本当に悔しい思い。スロー展開だったが、その中で揺さぶりがあった。(終盤に)川内君がきて、負けたくなかったが、体が止まってしまった。またこれから一生懸命頑張っていきたい」


井上コメント 「後半(ペースが)落ちてしまって、どうしようもできなかった。自信を持って準備ができてもこの程度しか戦えなかった。次はもっともっと強くなって帰ってきたい」


男子マラソン、タワーブリッジを背にスタートする選手たち(撮影・河野匠)
男子マラソン、タワーブリッジを背にスタートする選手たち(撮影・河野匠)
2時間12分19秒の9位でゴールし、苦しそうな表情で天を仰ぐ川内(撮影・河野匠)
2時間12分19秒の9位でゴールし、苦しそうな表情で天を仰ぐ川内(撮影・河野匠)
男子マラソン、2時間12分19秒の9位でゴールし、倒れ込んだ川内(右)の背中に手をおいてねぎらう10位の中本(撮影・河野匠)
男子マラソン、2時間12分19秒の9位でゴールし、倒れ込んだ川内(右)の背中に手をおいてねぎらう10位の中本(撮影・河野匠)
男子マラソン、2時間16分54秒の26位でゴールする井上(撮影・河野匠)
男子マラソン、2時間16分54秒の26位でゴールする井上(撮影・河野匠)


▽女子マラソン

(1)ローズ・チェリモ(バーレーン) 2時間27分11秒

(2)E・キプラガト(ケニア)    2時間27分18秒

(3)クラッグ(米国)        2時間27分18秒


(16)清田真央(スズキ浜松AC)  2時間30分36秒

(17)安藤友香(スズキ浜松AC)  2時間31分31秒

(27)重友梨佐(天満屋)    2時間36分3秒

清田真央16位が日本勢トップ/女子マラソン詳細


清田コメント 「レースが動いた時に、動くことすらできなかった自分が本当に悔しい。もっと思い切っていかないといけなかった。レースの中でまだゆとりを持てていない」


安藤コメント 「20キロ過ぎてからのペース変化についていけなかった。自分に負けていることがすごく悔しい。まだまだ世界との壁を感じた。甘さがこういうところに出たのかなと実感している」


重友コメント 「あれ(ロンドン五輪)から5年。またここに来ることに大きな意味があった。ちゃんとスタートに立てて走れたことはよかった。結果を残せなかった部分は情けないところがあるが、ここに来られてよかった」


女子マラソン、タワーブリッジをスタートする選手たち(撮影・河野匠)
女子マラソン、タワーブリッジをスタートする選手たち(撮影・河野匠)
女子マラソン、2時間30分36秒で16位となった清田はゴール後に涙をぬぐう(撮影・河野匠)
女子マラソン、2時間30分36秒で16位となった清田はゴール後に涙をぬぐう(撮影・河野匠)
女子マラソン、ゴール後、うつむきながら引き揚げる16位の清田(右)と17位の安藤(撮影・河野匠)
女子マラソン、ゴール後、うつむきながら引き揚げる16位の清田(右)と17位の安藤(撮影・河野匠)
女子マラソン、2時間36分03秒の27位でゴールする重友(撮影・河野匠)
女子マラソン、2時間36分03秒の27位でゴールする重友(撮影・河野匠)

 

▽男子110メートル障害準決勝

(7)増野元太(ヤマダ電機) 13秒79=落選

増野コメント 「これが自分の今の力。出だしは落ち着いていたが、加速の部分でもたもたした。(準決勝は)周りもぴりぴりしていて、いい雰囲気を味わえた」


▽女子七種競技

(1)ナフィサトゥ・チアン(ベルギー) 6784点(100メートル障害13秒54、走り高跳び1メートル95、砲丸投げ15メートル17、200メートル24秒57、走り幅跳び6メートル57、やり投げ53メートル93、800メートル2分21秒42)

(2)シェーファー(ドイツ)     6696点

(3)フェッター(オランダ)     6636点

 

▽女子やり投げ予選 A組

(9)斉藤真理菜(国士舘大)    60メートル86=

(13)海老原有希(スズキ浜松AC) 57メートル51=以上落選


斉藤コメント 「納得のいく投げはできなかった。初の海外試合だったので、これから経験を積んでいきたい」


海老原コメント 「悔しい。調整段階で不安はなかった。いつも通りに試合に入ったが(やりが)飛ばなかった。細かい技術のずれが重なったのかなと思う」


▽女子やり投げ予選 B組

(14)宮下梨沙(大体大TC)    53メートル83=落選


宮下コメント 「なかなかうまくいかない。体は動いている感じはしたが、投げのポイントがつかめていない。根本的な投げの問題」


▽女子棒高跳び

(1)エカテリニ・ステファニディ(ギリシャ) 4メートル91

(2)モリス(米国)             4メートル75

(3)ペイナド(ベネズエラ)         4メートル65

(3)シルバ(キューバ)           4メートル65


▽女子100メートル

(1)トリ・ボウイ(米国)  10秒85

(2)タルー(コートジボワール) 10秒86

(3)スキッパーズ(オランダ)  10秒96


▽男子砲丸投げ

(1)トマス・ウォルシュ(ニュージーランド) 22メートル03

(2)コバックス(米国)        21メートル66

(3)ジュニッチ(クロアチア)        21メートル46



◆サニブラウン1着突破/世界陸上第1日ダイジェスト

◆日本勢3人準決敗退/世界陸上第2日ダイジェスト