14年横浜国際で10代日本最高記録を出した岩出玲亜(22=ドーム)が、2時間31分10秒で日本人最高の5位だった。今大会は20年東京五輪マラソン代表を決めるグランドチャンピオン(GC)の出場権がかかったレースだったが、岩出は規定タイムの2時間29分00秒を切れなかった。

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 (GCに)誰も進めなかったのは寂しいなというのはある。岩出選手は冷静に走っていたが、集団から離れる前の20キロ過ぎから口が開いたり、時計や後ろを見たりなど変化が気になっていた。風も強く、先頭で引っ張っただけ、体力を消耗した。集団の後ろに下がって様子を見てもよかった。

 ただ積極的な姿勢と内容は今後に生かせる。自分のペースに持ち込んだ。最近の選手にはなかなかいなかっただけに評価できる。条件を頭に入れながら、レース中に組み立てを考えられるようになることが大事になる。

 実業団の時との違いは1人で走る。マラソンに集中できるが、精神的な強さを乗り越えないといけない。岩出選手は気が強く、明るい性格。心配いらないかもしれないが。サングラスを掛けていて、目の表情は分からなかった部分もあるが。体全体からプロランナーとしてやっていくという気持ちを感じた。(04年アテネ五輪金メダリスト)