フルマラソン登録男子は山田祐生(27=まるお製作所)が2時間23分57秒で初の栄冠を獲得した。同女子は下田翔子(33=神奈川)が2時間49分43秒で優勝。下田は来年9月のベルリンマラソン、山田は同10月のメルボルンマラソンに派遣される。

山田は10キロ地点でトップに躍り出た。中盤のBブロックからのスタート。しかも走る直前に、タイム計測のため靴紐に装着するチップを付け忘れたことに気付き、慌ただしい出走になった。序盤は遅れ気味だったが、心中では「大会記録を狙っていました」という。河口湖大橋の手前でトップを見つけると、ペースを上げて先頭に立つ。以後はその位置を譲らずゴールテープを切った。

フルマラソンを始めて2年目の山田は、いつも双子の弟、泰生さん(27)と走ってきた。今回も一緒に申し込んだが、弟は3日前のランニング中に肋骨(ろっこつ)を骨折して出場を断念した。1人で参加した山田は、37キロ付近で全身がつりそうになったが「弟の分まで」という思いで最後まで踏ん張り、初参加の富士山マラソンで優勝を手にした。

副賞で来年10月にオーストラリアで開催されるメルボルンマラソンの出場権を手にした。兄弟で所属する「まるも製作所」ではランニングの動画も配信をしているだけに「現地からも生配信ができますね」と笑顔を見せていた。