やっぱり青学大でしょ! 第96回東京箱根間往復大学駅伝(来年1月2、3日)の監督会見が10日、都内で行われた。2年ぶりの優勝を目指す青学大の原晋監督(52)は、恒例の作戦を「やっぱり大作戦」と発表した。

今年1月で連覇が「4」でストップし、今季は出雲5位、全日本2位と無冠。リベンジの思いを作戦名に込めて、令和最初の箱根でVを奪回する。出場21チームのエントリー選手(各16人以内)も発表された。

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原監督が目に力を込めた。恒例の作戦名を聞かれた時だ。「もうやめようかと思ったんですが、続けることに意味がある」。壇上から正面、左、右と指をさして「よろしいですか?」と3度確認。その瞬間、机の「青山学院大学」と書かれたプレートに腕が当たった。まさかの落下に「ああっ」と声を上げたが、仕切り直して宣言した。

「やっぱり大作戦。やっぱり4年は強い、やっぱり青学は強い、やっぱり青学を応援してよかったと言わせたい」

今季は無冠。「青学は弱くなったんじゃないか、という声もあった。リベンジも込めて、強さをみせたいとチームは盛り上がっている」。2年ぶりの王座奪回に強い意欲を示した。

「ワンチーム」になる出来事があった。8日、16人のメンバー発表。2年連続で山登りの5区を走った竹石尚人(4年)を外した。不調だった竹石から「調子がいい選手を使ってほしい」と言われた。原監督は「状態のいい選手を使うのが、学生のモチベーションになる。(竹石不在と)割り切ることで、チームの一体感になる」と決断した。

原監督は「東海大1強ですよ。だがウチは全員が区間5位以内になれば、優勝できる。『戦国駅伝』と言われるが、私には『戦術駅伝』。具体的な配置を言えないことは理解してほしい」と勝負師の顔をのぞかせた。会見では「箱根駅伝100年」の節目に、全国への門戸開放も訴えた。百戦錬磨の指揮官が令和最初の箱根で「やっぱり青学大」と言わせるために、頭脳をフル回転させる。【益田一弘】