静岡県代表は、2時間20分37秒で総合16位に終わった。苦戦を強いられたチームで、3区を走った昨夏の全日本中学陸上選手権1500メートル女王・杉森心音(浜松北浜中3年)が、期待通りの働きを見せた。11位でスタートし、すぐさま4位集団をごぼう抜き。3キロの同区間後半でも2人を抜いた。チームを2位へと浮上させ「自分の力は出し切れた」と、胸をなで下ろした。

個人レースでは何度も全国の舞台を経験している杉森だが、駅伝では初めて。「抜かされないかと、少し不安があった」。それでも、レース前に2区山本菜緒(23)から受けた「絶対に大丈夫だよ」のひと言から平常心を取り戻し、9人抜きの快走へとつなげた。しかし、反省点に触れることも忘れず「前半にとばしすぎて、後半に失速した。そこはまだ力不足かな」と表情を引き締めた。

競技場へ戻ると、中学の1年先輩で、この日宮城2区の区間4位に入った米沢奈々香(仙台育英高1年)と再会。互いに健闘をたたえ、無邪気な姿を見せた。来月には、滋賀県で行われる全国中学生クロスカントリー選手権に出場。昨年は3位に終わっていることから「優勝したい」と宣言。次の目標に向け、走り続ける。【河合萌彦】