男子50キロ競歩の19年世界選手権金メダリスト鈴木雄介(32=富士通)が28日、オンラインで報道陣の取材に応じた。

20日に婚姻届を出したばかりの新婚ウォーカー。6月から富士通の寮で共同生活をしているという。「1人でやってきた生活とは変化がある。総じて幸せな生活を送っている。所帯を持ち、今後は競技成績によって、家庭の生活も変わる。責任感はより一層増した」と話した。伴侶のサポートも受けながら、ともに結果を喜び合う姿を思い浮かべた。

地元・石川県に住む両親も新妻を「気に入ってくれた」という。「妻と結婚してよかった。早くコロナが終息して、石川県のいい場所を妻に教えて、石川を好きになってもらいたい。石川と言えば、金沢のおすし。それも妻に味わってもらいたい」とも語った。

昨秋の世界選手権は高温多湿の過酷な環境だった。金メダルで東京オリンピック(五輪)の代表に内定したが、反動は大きかった。大会直後はジョギングさえ歩きながら。冬のインフルエンザも影響してか、まだ慢性疲労が蓄積しているという。「酷暑の中でレースをしたことが体の負担だったのかなと思う。レースの後半も脱水に近い状態で歩いていた」。現在もトレーニングは「思ったようにできていない」。疲労が取れない状態が続き、病院で検査も受けているという。

本調子に戻らない春に、東京五輪の1年延期が決まった。言葉を選びながら、鈴木は「選手によっては、今年の方がよかった選手もいるので、大きな声でメリットと言ってはいけないかもしれないが、私個人の体調、調子から言うと、正直助かったという気持ちが強い。来年まで準備期間が伸びて改善できることが増えた」と話した。来春の50キロ競歩日本選手権(石川・輪島)を優勝し、弾みを付けて、東京五輪の金メダルへ向かうプランだ。

【上田悠太】