男子円盤投げは長岡商(新潟)出身の阿部敏明(日大3年)が50メートル43をマークして5位に入った。昨年7月に見舞われた右膝半月板損傷は完治していないものの、最後の4投目で50メートルラインを越えた。

阿部の右手から放たれた円盤は照明灯に照らされながら、50メートルラインを越えた。ラス投の4投目に50メートル43をマークした。「地元に帰って気持ちが入った。ちょっとカッコいいところを見せたいと思った」。大学1年時に出した51メートル25のベスト記録には及ばなかったが「50メートル台は目標の記録だった」と笑顔を見せた。

故障を抱えたままの大会出場だった。昨年7月に見舞われた右膝半月板損傷は完治せず、痛みは残っている。「今はだましだまし、やっている」と言う。ランニングメニューを減らし、痛みを感じたら練習は即、中断。患部のケアに専念してきた。そんな苦しい状況でも50メートル台の目標達成。「何とか乗り越えた」と故障状態の5位入賞を喜んだ。

今日12日の砲丸投げもエントリー。回転投法に変更して2度目の競技になる。砲丸投げは中学と高校時代に全国優勝を経験済み。十日町中条中3年の全中砲丸投げで優勝し、長岡商3年の全国高校総体(インターハイ)砲丸投げでも優勝を決めている。中高大と全カテゴリーの頂点を目指し“地元”のフィールドで奮闘する。「(入賞を)狙っている。優勝は4年になってから」と阿部は競技プランを明かしていた。【涌井幹雄】