2年連続出場の日本選手権で、国内トップクラスの実力を証明した。女子ハンマー投げ決勝で唯一の高校生競技者、弘前実(青森)の村上来花(らいか、3年)がセカンドベストの62メートル25で3位。昨年の5位入賞を経て、国内最高峰の舞台で初の表彰台に上がり、新たな勲章を手にした。

シニア大会でも“村神”は健在だった。「少し緊張したが、去年、メダルを取れなかった悔しさを晴らしたかったので、銅メダルを取れてうれしかったです」。1投目は重さ4キロの砲丸が防護ネットに当たり、ファウルとなったが、2投目に58メートル95、3投目に62メートル25と飛距離を伸ばした。前半の3投目終了時点で2位につけると、両手を突き上げ、笑顔の花を咲かせた。後半は4、5投目がファウル、最終6投目は52メートル76だったが、目標にしていた「ライオンメダル」獲得圏内の3位は死守した。

村上は4月に日本高校記録、U20日本記録となる自己ベスト62メートル88をマーク。歴代含めた高校女子で唯一の60メートル超えを誇る先駆者だ。今大会では「自己ベストは狙っていなかった」というが、「上の方の記録を意識して力んでしまった」と反省。それでも5月27日の青森県高校総体で57メートル59、今月19日の東北高校陸上で60メートル99と、いずれも大会記録を塗り替えて優勝し、日本選手権含め大会のレベルが上がるごとに右肩上がりで記録を伸ばしてきた。

来月末に福井県で全国高校総体(インターハイ)が開幕する。「インターハイは高校生が一番輝ける場所。タイトルを取れるように頑張っています」と全国制覇を目指す。女子ハンマー投げの日本記録は室伏由佳が04年に樹立した67メートル77で、その差は約5メートル。「日本記録はいずれ出ると思う」と言ってのける17歳のヒロインが、新たな伝説を打ち立てる日は近い。