自己記録9秒98の小池祐貴(26=住友電工)が10秒19(向かい風0・5メートル)で初優勝を果たした。

スタートは慎重に出た。スターティングブロックで構えに付いた時「プルッ」と右ふくらはぎが、けいれんした。体も動き、やり直しに。「また来るんじゃないか。怖かった」。再び痛みが出ないか不安もよぎった。その分、出足は鋭さに欠き、ライバルに先行を許したが、後半で伸びた。2位の坂井隆一郎(大阪ガス)に100分の2秒差で勝利した。

「思い通りのレースにはいかなかったが、勝てて、ほっとしている。後半しっかり走るのがテーマ。落ち着いて走れた」。練習は順調で、狙いは来夏の世界選手権(ユージン)の参加標準記録10秒05だった。そこには届かなかったが、優勝できたことには満足していた。