今年1月1日のニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)を制した富士通は16日、優勝旗が所在不明になっていると発表した。

次回大会に向けて返還準備を始めた先月下旬に判明した。都内の本社事務所内にケースに入れて保管していたという。広報担当者は日刊スポーツの取材に対し、「6月12日までは社内にあるのが確認できた」と説明。今月8日に陸上競技連合に報告。紛失や破棄、盗難の可能性も含めて調査しているが、発見されていない。

一方、大会を主催する日本実業団陸上競技連合は「特に大会参加への支障はありませんし、ペナルティーなどもありません。ただ表彰式で優勝チームへ渡せる旗がないということです」と回答した。新たに優勝旗を製作するには、刺繍(ししゅう)など精緻な作業が必要なため、3~4カ月はかかるという。それも踏まえて「来年以降はどうするのか、従来通りの旗でいいのか、それとも時代に合ったものにするのか、現時点では保留です。富士通さんの意向も含めて、今後の対応を考えたい」と話した。

ニューイヤー駅伝は1957年(昭32)に始まり、実業団男子の駅伝日本一を決める権威ある大会。1988年から「ニューイヤー駅伝」として1月1日に群馬・前橋市を舞台に開催されており、元日の風物詩となっている。歴代最多優勝は旭化成の25回で、富士通は今年1月の大会で12年ぶり3度目の優勝を遂げている。

なお、富士通側は16日午後に日本実業団陸上競技連合を訪れ、謝罪と問題の経緯について報告する予定。