今回、ナイキの厚底シューズの使用率が下がった。参加21チーム全210選手の使用シューズを集計すると、前回201人だったナイキは154人まで減少。そんな中、前回ゼロと屈辱を味わったアシックスが、新たに厚底シューズを開発し、24選手が使用するまで盛り返していた。

【箱根駅伝】全選手区間記録一覧>>

◆210人の使用シューズ

<1>ナイキ154(昨年201)

<2>アディダス28(昨年4)

<3>アシックス24(昨年0)

<4>ミズノ2(昨年3)

<5>ニューバランス1(昨年1)プーマ1(昨年ゼロ)

アシックス社は元日付の日経紙に「わたしたちは、何度でも起き上がる。」というコピーの全面広告を出した。そこには「2021年1月。レースから、アシックスのシューズが姿を消した」「誰よりも真剣に、走りと向き合う。負けっぱなしで終われるか」の文言も。どこにも箱根駅伝という言葉はないが、数年前まではシェア1位だっただけに強い自負の表れだった。そのアシックスとともに、アディダスも前回の4から今回は28まで伸ばした。

反発力とクッション性の高い厚底カーボンシューズは18、19年にマラソン男女の世界記録など好記録が続出したことに端を発し、ナイキ製品が一気に広まった。箱根駅伝でも近年は厚底旋風が吹き荒れており、他メーカーも追従する形で開発合戦が起きている。

今回の区間賞を獲得した10選手を見ると、10区間中8区間がナイキで、ミズノとアディダスが各1区間。中でもミズノは従来型シューズ。その靴で4区の区間賞だった創価大の嶋津雄大(4年)は、自らの走りを力で押すタイプと説明した上で「厚底だとフォームを一から変えなければいけなかったり、なかなかうまく走れない。結果を出せているのであれば特に底にはこだわっていない。一番走れるシューズを選んだらたまたま薄底だった」と言う。

今後も各社の開発が進めば、ナイキ1強は次第に薄れ、ランナーの個性とともに使用メーカーもばらけていきそうだ。【佐藤隆志】

【箱根駅伝】箱根駅伝2022関連ニュース>