男子20キロ競歩は日本勢がワンツーフィニッシュした。前回19年ドーハ大会金メダリストの山西利和(愛知製鋼)が1時間19分8秒で連覇を達成した。今大会の日本勢第1号となるメダルとなった。東京オリンピック(五輪)銀メダルの池田向希(旭化成)が1時間19分14秒で銀メダルを獲得した(タイムは速報値)。

池田はスタートから先頭集団で冷静にレースを進めた。集団を先頭で引っ張る山西が、何度もスパートをかけたが、その都度、ピタリと後方につけて離されなかった。17キロすぎには山西とのデッドヒートになり、トップに出る場面もあったが、残り1キロからの山西のスパートについていけず、ズルズルと後退した。

「序盤は落ち着いてレースの流れに乗って、レースを進めていき、ラスト5キロに入ってからの勝負だなと思っていました。集中、気持ちを切らさずに保っていけたことが、銀メダルにつながった」と池田。金メダルを獲得した山西については「他国の選手がマークしている中、堂々と歩く姿勢に、勉強させてもらいました。これからも山西選手に負けじと、安定した成績を残せるように頑張っていきたい」と話した。

東洋大出身の24歳は、大学時代はマネジャーを兼務して雑務もこなしていた苦労人。東京五輪では、モデルでタレントのみちょぱこと池田美優が「再従兄弟(はとこ)」と遠い親戚にあたることでも話題を集めた。

来年は世界選手権、24年はパリ五輪と大きな大会が続く。

「今回の銀メダルはうれしい半面、山西選手に負けて悔しいという思いがありました。この悔しいという思いが出たということが、前回ドーハの6位、東京五輪の銀とステップアップしている証拠なのかと思います。来年、再来年と国際大会が続くので、そちらでもメダル争いをして、安定した成績を残したい」。今大会の銀メダルに満足していなかった。

【世界陸上特集 日程・結果、写真など速報中】>>