10年ぶりに世界大会に戻ってきたディーン元気(ミズノ)が今季自己ベストの82メートル34の全体7位で決勝に進出した。

1、2投目に79メートル台を並べて迎えた予選の最終3投目。投げ終わると確信を持った表情でやりを見送った。芝生に突き刺さると、記録に満足するように指を突き上げた。

決勝進出は15年北京大会の新井涼平(9位)以来。「10年ぶりの世界大会で、大人になったなと感じました。落ち着いて試技できた。やるべき事に集中してできた。助走の流れとか度外視して、最後の投げ力のところで、自分の投げられる所に入れた」と穏やかな顔で振り返った。

12年ロンドン五輪代表のディーンは、右脇腹痛など多くのケガを乗り越えて、再び日の丸を背負う。一時は精神面の不調から、半年間の休養期間を挟むなど、紆余(うよ)曲折が続いた。

6月の日本選手権では10年ぶり2度目の優勝を果たした。参加標準記録には届かなかったが、世界ランクで出場権を手にした。

「決勝に残れないイメージがなかった」。自信を胸に、決勝では09年ベルリン大会の村上幸史(銅メダル)以来となる表彰台を目指す。今大会では、女子の北口榛花(JAL)が21日の予選を1位通過した。世界選手権で日本男女がともに決勝に進むのは初だった。「北口やばいっすね。さすがです。それがうれしい」と刺激にしていた。