十日町が県大会では同校が達成して以来30年ぶりの男女アベック優勝を果たした。男子は2時間9分59秒で27年ぶりの優勝。トップと34秒差の3位でタスキを受けた3区小泉世成(せな、3年)が前走2人を抜き去りトップを奪うと最後まで先頭を譲らなかった。全国大会は12月25日に京都で行われる。

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十日町の男子チームが26年も閉ざされていた扉をこじ開けた。流れを作ったのは3区小泉。トップから34秒差の3位でタスキを受け取ると、ペースを崩さずに正確にピッチを刻む。5キロ付近で中越を、残り2キロ付近で開志国際をとらえ、トップでタスキをつないだ。小泉の快走でチームは波に乗った。その後、1度も先頭を譲らずにフィニッシュ。小泉は「このまま負け続けて終わりたくなかったのでうれしい」と笑顔を見せた。

保坂勉監督(57)は当初、小泉を1区に起用するつもりでいたが、大会1週間前に生徒からオーダー変更の申し出があったという。監督は「(1、2区と)予定より差が出て苦しいなと思ったが、覚悟を持ってみんなよくやってくれた」と話し、「男子も女子もたいしたやつらだよ」と30年ぶりアベック優勝を成し遂げたメンバーを見つめた。

7区のアンカー堀沢大夢(3年)はタスキをつないだ6人、そして、レースに出場できない全部員の思いを背負って力走。最後は大きなガッツポーズでフィニッシュラインを駆け抜けた。「歴史を変えられた。小千谷中2年で全国駅伝に出場しているので、その経験を生かしたい」。

95年以来、ようやくつかんだ全国への切符。勝利の立役者となった小泉は「このタイムでは勝負にならない。都大路に向けてもっと強くなりたい」。高校3年間の集大成をみせるため、ラストスパートをかける。【小林忠】

◆県アベックV 県大会での男女同時優勝は92年の十日町が唯一。また全国大会の同時出場は08年の東京学館新潟がある。その年は男子は優勝で、女子は北信越枠での出場(優勝は新潟第一)だった。