学生3大駅伝で同校史上初の三冠を狙う駒沢大(駒大)の山野力主将(4年)が、28分40秒90で3位に入った。自己ベスト更新とはならず、「自分の力でタイムを出せないと、やっぱり本当の強さじゃない」と反省の言葉を並べた。

底冷えするような寒さとなった夜の国立競技場。小雨が降る中、スタートから先頭集団を形成したが、終盤に城西大のヴィクター・キムタイ(1年)にスパートを許した。顔をしかめながらも、何とか踏ん張り、3位でゴール。フィニッシュ直後は右手で髪をかき上げ、冷たい雨を降らす空を見上げた。

大会新記録で圧勝した全日本大学駅伝から2週間。「3、4日前くらいから、徐々に疲れは抜けていたので、いいコンディションで臨めたんですけど…」。1万メートル自己ベストの28分32秒71の更新を狙ったが、先頭で走り切ることができず、目標に届かなかった。「人の力ばかりを借りてタイムを出すんじゃなくて、自分の力でタイムを出せないと、やっぱり本当の強さじゃないのかな」。自分に言い聞かせるように、はっきりとした口調で言った。

駒大は出雲駅伝と全日本大学駅伝で優勝。三冠を目指す箱根路へ向け、「おごることなく、良い意味で自信に変えていこう」と伝えている。

高みを目指しているからこそ、強さを求め続ける。その先に、悲願達成は待っている。

◆男子10組の上位8人のタイム

1位 ヴィクター・キムタイ(1年=城西大) 28分35秒74

2位 清野太成(4年=駿河台大) 28分40秒24

3位 山野力(4年=駒大) 28分40秒90

4位 町田康誠(4年=駿河台大) 28分42秒25

5位 綱島辰弥(4年=国士舘大) 28分45秒21

6位 石丸惇那(1年=創価大) 28分46秒37

7位 亘理魁(2年=駒大) 28分47秒70

8位 花岡寿哉(1年=東海大) 28分50秒25