ここぞで勝ち切る1年へ-。

1月の箱根駅伝で8区区間10位だった早大・伊福陽太(2年=京都・洛南高)が、トップと1分8秒差の1時間33分5秒で学生トップの6位に入った。

気温13・8度。空からは小雨が落ちる。すっきりしない空模様の中、レースが始まった。

先頭から離されかけても、粘り強く追った。折り返しの15キロ地点へ差しかかっても、先頭集団に食らいついた。しかし、起伏のある後半から、徐々に差がついた。20キロ地点で先頭に10秒差。「追いつけるかなとも思いながら走ったんですが、まだ10キロあると思った時に自分の中に迷いがありました」

さらに差は開き、最終的には優勝した名取燎太(24=コニカミノルタ)、2位の岡本直己(38=中国電力)に1分以上離された。「20キロ手前で離されてしまったので、そこは悔しいかなと思います」。悲観する結果ではなかったが「今回の試合で、やっぱり勝負どころで勝ち切れないという課題が見つかった。そこは1年かけてやっていきたいです」と反省の言葉を続けた。

ここぞで勝てる力を、着実につけていく。

今年の箱根駅伝は総合6位に入った。さらなる飛躍を目指す1年。伊福は指定校推薦で入学した“一般組”としての決意を口にした。「僕は(スポーツ)推薦で入ったわけではないので。そこはしっかり底上げというか、たたき上げの先頭に立てるような存在になりたいなと思っています」。

そして、さわやかに続けた。「楽しんでやりたいなと思っています」。楽しんで。その思いを胸に、勝つための1年にする。【藤塚大輔】