男子マラソンの其田健也(29=JR東日本)が、世界選手権(ブダペスト)の出場理由を明かした。

都内で開催されたジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズ2期(21年11月~23年3月)の表彰式に出席。男子のチャンピオンに輝き、「今まで通り、真摯(しんし)に謙虚に向き合って競技に打ち込んでいきたい」と受賞をかみしめた。

其田は今月5日の東京マラソンで日本人男子2位となる8位でゴールするなど、好タイムをコンスタントに記録。8月下旬の世界選手権代表に初選出された。その約1カ月半後の10月15日に、パリ五輪代表切符を懸けた選考会「MGC」を控える中、出場を決断した。

「MGCはすごく大きな大会で、そこにみんなフォーカスすると思う。ほんとに大事なのは、その先の五輪であって、MGCが目標ではない。あくまでもMGCを通過し、パリ五輪で勝負するのが一番大事なことだと思う」

両大会への出場は調整面の難しさも懸念されるが「そこは特に考えていない」とさらりと言った。世界選手権でしか得られないものを確かめたい思いが勝った。

「世界選手権で経験を積んで、入賞やメダル争いをすることが、パリに出た時に結果につながると考えた。世界選手権後は(MGCまで)2カ月もないですけど、そこは特に考えていない。自分自身が強くなる道を選んだ結果がこれだと思っている」

普段から“世界”を意識、今後は5月からの合宿などで徹底的に走り込む。

「練習でもラストを上げて終わる意識を常日頃から持って、今後は海外選手と勝負できるようにしていきたい」

パリ五輪で勝ち切るために、自分が決めた道を進む。【藤塚大輔】