1万メートルの関西学生記録保持者で、関西大の4年生エース・亀田仁一路(じんいちろう)が、来年1月の第100回箱根駅伝への挑戦に意欲を示した。男子1万メートルに出場し、29分45秒52で2位。2人のみによるレースに臨み、1着の城西大・山本唯翔(4年)に15秒54差をつけられた。

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もともとは3人のみのエントリー。駒大・伊藤蒼唯(2年)の棄権により、2人で競う試合となった。前半は引っ張りながらペースを刻んだものの、5000メートル過ぎから山本が前へ出ると、じわじわと差を広げられた。

「先頭で引っ張る展開となってしまって、このまま勝てるのかな…とかなり不安になってしまった」。心理的な重圧も重なり、課題を残すゲームとなった。

大学ラストイヤーへ、懸ける思いは強い。3月の1カ月間では、約800キロほどの距離を踏み、スタミナを強化した。「関東の選手に比べると少ないんですけど」と謙遜しながら「冬季はいい練習が積めました」と手応えも感じている。

今季はこれまでなかったチャンスもある。来年1月の第100回箱根駅伝へ向けた予選会(10月14日)は、全国の大学に門戸が開かれており、戦前に計3度出場した関西大にも参加資格がある。亀田は「6月の全日本大学駅伝の予選会が終わってみないと(箱根駅伝予選会に)出るという風には言えないと思う」としたうえで「チームでも予選会に出たいと言っている選手も多数いる。チャンスがあるので、意欲的にみんな考えているかなとは思います」と打ち明けた。

箱根駅伝へ挑むとなった時のためにも、今は心身を鍛えていく。

「この1年でタイムもそうですけど、人としても成長していきたい」

泰然とした態度で思いを口にした。その名を知らしめるべく、真摯(しんし)に競技と向き合っていく。【藤塚大輔】