女子1500メートル日本記録保持者の田中希実(23=ニューバランス)が同種目に出場し、大会記録4分9秒02に迫る4分9秒79をマークして優勝した。

大会3連覇を達成し「自分にどうしても勝ちたかった。いつも以上に強い気持ちで『勝ちたい』と思えた部分が一番大きかったと思う」と話した。

序盤は後藤夢(ユニクロ)にぴたりとついて走り、残り1周手前でトップに立った。ラスト1周はロングスパートをかけ、2位と3秒18の差をつけてゴール。地元・兵庫での大会。慣れ親しんだ会場は安心感があり、スタンドからの声援も力になった。

前日は東京選手権女子1マイル(約1・6キロ)に出場し、4分32秒73の日本新記録で優勝。東京・国立競技場から地元の兵庫に移動し、2日連続レース出場で“連勝”を飾る結果となった。

連戦にした理由は「レースへの気持ちを作っていくことができる」からと説明した。

その思惑は当たり「昨日のレースは、今日のためのレースと位置づけてた。昨日走ったことは自分にとって大きかったと思う」とうなずいた。

3月末に豊田自動織機を退社し、プロ選手としての道を歩み始めた田中。もちろん、視線の先には世界がある。

現在の課題は「ラスト数メートルまで誰かがいるというレースの中で、自分の走りを見失わない」こと。

この日のレースについては「国際大会だったら振り切られてしまうスパートだった。海外だと今日のような独走はない」と話し「そこに焦点を当てて世界を目指しなさいと言われたと思って、気を引き締めて臨んでいきたい」と続けた。

次戦は、29日にアメリカで行われる大会の1500メートルへの出場を予定している。