男子1500メートルは、いわき秀英・植村真登(まなと、3年)が強風の中、3分59秒31で栄冠を手にした。残り600メートルからスパート。先頭に立ち、強豪・学法石川らの選手が迫る中、逃げ切り。ゴール後、右手人さし指を挙げた。「去年はケガで疲労骨折を抱えながら出て、悔しい思いをした。親にもたくさん迷惑をかけたので、恩返しができ、うれしい気持ちがあった」と笑顔を見せた。

昨年4月、両足に痛みを感じ、県総体後に疲労骨折の診断を受けた。県新人を欠場し、最終学年での飛躍を胸にケガをしない体作りを目指し、補強トレーニングを毎朝実施。体の軸を作ることから始めた。その成果が実り、5月上旬のいわき地区予選では東北高校新人優勝のチームメート・大石崇貴(3年)を破り、大会新記録で優勝した。「自己ベストを1年半ぶりに出すことができた。それが自信になって今回も自信を持って走ることができた」と胸を張った。

東北王者の大石に対し「自分は大きな舞台で勝ち切れた経験がないので、リスペクトしている。ラストスパートなどで競い合い、高めあってきた」。大石も6位に入り、2人で全国高校総体切符をかけた東北高校陸上(6月15~18日、山形)に臨む。「ラストスパートやスローペースになっても勝ちきる力をつけたい」と最善の準備を誓った。【相沢孔志】

 

▼会津学鳳・久家すずか(3年=女子5000メートル競歩で大会2連覇を達成も、県高校記録更新はならず)「今回は歩形で全部の力を発揮できなくて悔しい思いをした。東北大会までに改善して、全国につなげられるように頑張りたい」