陸上男子で2016年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)400メートルリレー銀メダリストの飯塚翔太(32=ミズノ)が3日、欧州遠征へ向けて羽田空港から出国した。

遠征では、今月8日にベルギー・コルトレイクでの大会で100メートルと200メートルに、同26日にオーストリア・アイゼンシュタットでの大会で200メートルに出場。現時点では未定だが、7月中旬にも欧州で1レースに臨む。世界ランキングにおけるターゲットナンバー(出場枠)での世界選手権(8月、ブダペスト)代表入りを目指す。

200メートルに軸足を置くが、ベルギーでの大会には100メートルに出場し、約1時間後に200メートルを走る計画を立てた。「事前に100メートルを走っておくと、体も温まってスピードも上がるので、200メートルもうまく走れるんです」と意図を説明。自分なりのスタンスで、好タイムを狙う。

ベルギーでの最初の2週間は、ホテルなどではなく、アパートに宿泊する。「長い期間になると、自炊がしたいんですよね」。普段から自炊をして、気分転換を図っている。「じっとしていると、試合の期間中とかはピリピリしちゃう。何か違う作業に集中するのもいいのかなと思っています」。現地で料理ができるよう、およそ1万円分の加工品をバッグに詰め込んだ。準備万全で、2018年以来の欧州遠征へ向かう。

7月1日からは24年パリ五輪の参加標準記録の有効期間が始まったが、先は見ず、目の前のレースで力を尽くす。

「こうやってチャレンジできることは、限られているところもあると思う。この遠征は思い切って走りたいなっていうのが一番の目標です。チャンスがあるのはありがたくて。思いっきりいきたいなと。1本1本、レースを楽しみながら、思い切って走りたいなと思います」

5度目の世界選手権、そして4大会連続の五輪代表へ。飯塚は力強く駆けていく。【藤塚大輔】