陸上のアジア選手権(タイ・バンコク)の男子1万メートルで金メダルを獲得した田澤廉(22=トヨタ自動車)が15日、羽田空港に帰国し、過酷な気候条件のもとでのレースを振り返った。

田澤は世界ランキングでの世界選手権(8月、ブダペスト)代表入りを懸け、12日に男子1万メートルに出場。28分14秒を最低限のラインとし「28分を切るようなペース」を目指したが、高温多湿のタイでのレースは想像以上に苦しかった。

中盤の5000メートルほどでは「完走できるかな?」と頭をよぎるほど。駒澤大(駒大)1年時に箱根駅伝で3区を走った時以来の感覚に陥りながらも、29分18秒44で優勝した。

同大会には、大学時代からの恩師の大八木弘明コーチが同行。レース前に「勝負は勝ち切ることが大事」と伝えられた中、その約束を守った。「勝ち切ることについては達成できたかなと思う」とうなずいた。

8月の世界選手権(ブダペスト)代表入りへは「行ける可能性があるという話を聞いたので、8月20日にしっかり結果を出せるようにコンディションを整えていきたい」と前を向いている。出場を逃した場合も想定し「9月にアジア大会もあるので、もう1度、1番をとって、次はパリへつながる走りをしていきたい」と先を見据えた。

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