昨夏の世界選手権(米オレゴン州)男子5000メートル代表の遠藤日向(24=住友電工)が、24年パリオリンピック(五輪)に意識を置きつつ、出場の可能性がある8月の世界選手権(ブダペスト)での決勝進出を見据えた。

17日、陸上のアジア選手権(12~16日、タイ・バンコク)から羽田空港に帰国。5000メートルで13分34秒94をマークして金メダルを獲得し「今大会は今季一番の目標としていたので、世界陸上にもつながる走りができました」とうなずいた。

昨秋から左アキレス腱(けん)を痛め、練習を再開したのは5月。出遅れたため「世界陸上は諦めて、パリに向けて長い目でやっていければ」と心を切り替えていた。

万全ではないまま臨んだ6月1日の日本選手権(大阪)。5000メートルに出場し、13分20秒84の2位でフィニッシュした。「負けてしまったんですけど、十分なタイムで走れた」と光明を見いだした。

そこからアジア選手権にかけての1カ月は、本格的に5000メートルのトレーニングを開始。「量も質も高くできていて、余裕度をもって消化できた」。1年前の同時期よりも手応えをつかみ、アジア選手権での好結果につなげた。当初は思い描いていなかった2大会連続の世界選手権代表入りの可能性も広がった。

予選で姿を消した昨夏のリベンジ、そして来夏のパリへ。朗らかな口調に思いを込める。

「出場できるのであれば、ファイナリストを目指しています。今年の世界陸上よりもパリ五輪を見据えてやっているので、パリにつながる走りができればと思っています」

世界舞台でも、強い走りを体現する。