新装開店となったTBSの『世界陸上』中継が、放送スタート早々、想定外のアクシデントに見舞われた。

午後3時50分号砲の男子20キロ競歩決勝に合わせて、午後3時からTBS系列でテレビ中継がスタートした。

同種目は3連覇を目指す京大出身の山西利和(27=愛知製鋼)や、前回大会銀メダル、21年東京オリンピック(五輪)も銀メダルの池田向希(25=旭化成)ら日本勢4選手が出場。表彰台独占も期待されていた。

ところがスタート直前に急にブダペスト中心地のスタート地点の上空が真っ黒の雲で覆われ、急激に気温が下がって強風と雨が吹き荒れ、雷雨の可能性が強まったため、直前に主催者側から2時間の延期が発表された。

長年、世界選手権を中継してきたTBS系の『世界陸上』中継は、1997年のアテネ大会から13大会25年にわたり、俳優の織田裕二(55)とフリーアナウンサーの中井美穂(58)が“番組の顔”としてメインキャスターを務めていたが、昨年の22年大会(米オレゴン州)で卒業。今大会から同局の石井大裕アナウンサー(38)と江藤愛アナウンサー(37)を総合司会に据えて新たなスタートを切った。

石井アナウンサーは元テニスプレーヤーのスポーツマンで、スポーツニュースキャスターを務める同局のスポーツ番組の顔。江藤アナウンサーは情報番組の『ひるおび』や『THE TIME,』に出演し、音楽番組の司会も務める看板アナ。

放送開始の冒頭で江藤アナウンサーが「『人類の壁を超えていけ』がテーマ。その裏にあるドラマをていねいに伝えていきたい」と抱負を語った。一方、石井アナウンサーは最初の決勝種目の男子20キロ競歩のスタート・ゴール地点の市街地からリポートした。その直後に現地の気候が急転した。

想定外のハプニングで中継は2時間もの空白ができたが、江藤アナウンサーと解説を務める高橋尚子さんが、これから登場してくる日本選手たちの紹介映像をまじえながら展望などを語り合って中継をつないだ。