柳田大輝(20=東洋大)が準決勝進出を決めた。7組で10秒20(向かい風0・1メートル)の3着だった。

各組3着(全7組)+4着以下のタイム上位3人、合計24人が準決勝へ駒を進める中、サニブラウン・ハキーム(24=東レ)に続き、今大会日本人2人目の進出となった。

柳田は「タイムがいまいちだったんで、次はもっと上げないと」と言いつつ、「準決勝へ進めたのは良かったです」と喜んだ。

オフに上半身の筋力を強化し、安定感が増した柳田は、今年6月の日本選手権で自身過去最高の2位に食い込んだ。7月中旬のアジア選手権では今季日本勢最高の10秒02(無風)で優勝。世界ランキングでの代表入りを果たした。

大舞台での勝負強さが武器。7月25日に20歳を迎えたばかりの新星は、会場の盛り上がりを楽しむ余裕もあった。

「緊張はしましたけど、速く走りたい気持ちが大きいです」

さらに「インカレのほうが緊張しました」と冗談交じりに話し、「最後までいっぱいいっぱいだった感じもない」とすがすがしくレースを振り返った。

準決勝は日本時間20日午後11時30分から行われる。史上2人目の決勝進出へ、言葉に熱が帯びる。

「まずは自分が置いてかれないというか、先攻するくらいでないと、ファイナルへ進めないと思う」

走る喜びを胸に、攻めの姿勢を貫き通す。

◆柳田大輝(やなぎた・ひろき) 2003年7月25日、群馬県館林市生まれ。小学生から競技を始め、中3時の全日本中学選手権大会(全中)で100メートル2位、走り幅跳び優勝。東農大二高時代に100メートルに絞り、3年時に高校歴代2位タイの10秒22をマーク。22年に東洋大進学。23年アジア選手権優勝。