個人種目初出場の柳田大輝(20=東洋大)は、10秒14(無風)で2組7着で決勝進出を逃した。

世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)2勝のシンビネ(南ア)がフライングで失格になり、強敵が1人姿を消したが、決勝進出条件の『各組上位2着+3着以下の上位タイム2人』には残れず「いいところが出せず、自分らしくないレースになった。今のままでは戦えないことがよくわかった」と、世界トップとの差を痛感させられた。

オフに上半身の筋力を強化し、安定感が増した柳田は、今年6月の日本選手権で自身過去最高の2位に食い込んだ。7月中旬のアジア選手権では今季日本勢最高10秒02(無風)の自己ベスト記録で優勝。世界ランキングでの代表入りを果たした。

自信をつけて臨んだ今大会は、予選で10秒20(向かい風0・1メートル)の組3着でゴール。準決勝進出を決めて「緊張はしましたけど、速く走りたい気持ちが大きい。インカレのほうが緊張しました」と余裕も見せていたが、世界のファイナルはまだ遠かった。「また力をつけて戻ってきたい」と仕切り直しの再挑戦を誓った。

◆柳田大輝(やなぎた・ひろき) 2003年7月25日、群馬県館林市生まれ。小学生から競技を始め、中3時の全日本中学選手権大会(全中)で100メートル2位、走り幅跳び優勝。東農大二高時代に100メートルに絞り、3年時に高校歴代2位タイの10秒22をマーク。22年に東洋大進学。23年アジア選手権優勝。