【ブダペスト(ハンガリー)=藤塚大輔】東京オリンピック(五輪)代表の高山峻野(28=ゼンリン)が準決勝進出を決めた。

13秒35(向かい風0・9メートル)で5組2着。「思ったよりも落ちなくて、僕の中では良いレースが出来たかな」と手応えを口にした。

3週間前にふくらはぎを肉離れし、そこから2週間ほどはなかなか練習が積めない中で今大会へ。しかし、号砲が鳴ると好スタートを切り、中盤以降でも競り負けなかった。

「バネが結構たまっている」と好感触。「ケガとかアクシデントはありましたけど、ここでしっかり走れているのが、僕にとっては一番の収穫」と前を向いた。

男子110メートル障害は泉谷駿介(住友電工)、横地大雅(TeamSSP)も予選(横地は救済措置)を突破し、日本勢3人全員が準決勝へ進出。特に日本記録保持者の泉谷は、日本人初の決勝進出の期待がかかる。

3人の中で年長者となる高山は「このタイムだと厳しいと思う。準決勝で落ちても決勝で泉谷君の手伝いができるので、手伝いを頑張りたいです」と冗談めかした。報道陣の笑いを誘いつつ「逆にそれで気持ち的に楽に走れているのかな」とリラックスした表情をみせた。

準決勝は22日午前3時5分、決勝は同4時40分(ともに日本時間)開始予定。高山も確かな存在感を示し、新たな歴史を刻んでみせる。