準決勝に臨んだ日本勢3人は、佐藤拳太郎(28=富士通)が44秒99、佐藤風雅(27=ミズノ)が自己ベストとなる44秒88、中島佑気ジョセフ(21=東洋大)が自己ベストとなる45秒04をマークしたが、いずれも決勝進出を逃した。

20日の予選で32年ぶりの日本新となる44秒77を記録した佐藤拳は、この日も粘り強く前を追った。ただ、後半でスピードが上がらず「レース中に考えすぎてしまい、後半での失速が大きくなった。それが(ペースが)上がらなかった要因だった」と冷静に分析した。予選に次ぐセカンドベストにも組5着。「達成感はないですね。悔しい思いしかないです」と声を落とした。

予選で日本歴代3位の44秒97をマークしていた佐藤風は、前半200メートルを21秒09で駆けた。予選よりも約0・5秒も速い入りとなったが「僕の中では300→100(メートル)というイメージなんですけど、200→200(メートル)になってしまった。タイムは出ているんですけど、理想のレースではなかった」と後半でかわされ、組4着で敗退となった。海外勢に屈したが「2本を通して、(決勝への可能性は)ゼロではないと思った。ほんとに手が届く気持ちがあります。だからこそ楽しいです」と声を弾ませた。

中島は序盤から中位につけると、レース途中で上位2人が相次いで負傷。2着以内で決勝進出が決まる中、最後の追い上げも実らず、3着でゴール。「4年間、この日のためにやってきた。全てを犠牲にしてやってきた。まだ現実を受け入れきれない」と静かな声で振り返った。

悔しさをにじませた3人だが、26日午後7時30分(日本時間27日午前2時30分)からは1600メートルリレー予選が控える。日本は前回大会で史上最高の4位。今大会はメダル獲得の期待も膨らんでいる。

佐藤風は「メダルです、絶対!」と力を込める。

「ジョセフ、拳太郎さんと自己ベストを更新して。昨年のオレゴンは決勝へ行こうだったのが、今回はメダルをとろうと。そういう気持ちを全員が持っている。それを形にしないと」

汗だくになりながら、言葉に熱を込めた。