男子35キロ競歩決勝で前回銀の川野将虎(24=旭化成)が銅メダルを獲得し、2大会連続の表彰台に輝いた。2時間25分12秒で、今大会の日本勢メダル第1号。日本競歩は5大会連続のメダルとなり「勝ち続けることが難しい競歩。自分たちのやってきた取り組みは間違いじゃなかった」とかみしめた。

気温25度以上の暑さの中、ハイペースとなった前半は冷静に第2集団から前を追った。「スタミナには自信があった」。残り5キロほどで、優勝争いをしていたキニオン(フランス)が3回目の警告で脱落。「絶対にメダルを獲得するんだ」と力強いレースをみせた。

今大会は、表彰台が期待された初日の男子20キロ競歩でまさかの入賞者なし。メダルゼロの可能性もあったが「このまま日本の競歩は終わっていられない」と危機を救った。日本陸連の今村文男シニアディレクターも「駆け引きへの対応力があり、最後までペースを落とさなかった」と評価した。

パリ五輪では35キロ競歩は実施競技ではなく、川野は20キロ競歩での出場を狙う。距離が短くなるため、スピード強化は必須。「今までの取り組みをベースとし、さらにスピード練習にこだわっていく」と、銅メダルを土台に青写真を描いた。

○…女子35キロ競歩は2大会連続出場の園田世玲奈が7位入賞した。前回は入賞入りを7秒差で逃したが、今大会は積極的に先頭集団に食らいついた。「(順位を)上げるのは厳しくても、後ろを把握して維持する」と粘り強さをみせた。パリ五輪では20キロ競歩やマラソン競歩混合リレーへ臨む予定。「スピードという部分は変わらない。しっかり勝負していきたい」と力を込めた。