8月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)で日本女子のフィールド種目で初の金メダルを獲得した女子やり投げの北口榛花(25=JAL)が19日、羽田空港で凱旋(がいせん)帰国会見に臨み、「今回は金メダルとダイヤモンドリーグ(DL)のトロフィーを持って帰ることができて、充実した3カ月半になりました。たくさんの方に出迎えていただけてすごくうれしいです。これからもっと実感が湧くんじゃないかと思います」と喜びを口にした。

世界ランキング1位の北口はブダペスト大会を66メートル73で優勝。昨夏の前回大会の銅メダルを上回る快挙を達成した。

その後は拠点としているチェコの大会へ出場し、今月8日に世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)ブリュッセル大会(ベルギー)へ参戦。最終6投目で日本新記録となる67メートル38を飛ばし、自身が7月に打ち立てた日本記録を34センチ更新した。

同16日(日本時間17日)にはDLの年間上位者で争うファイナル(米オレゴン州ユージン)で63メートル78で優勝。日本勢初Vとなり、世界選手権に続いて世界一に輝いた。

記録ラッシュとなった日々を振り返り「本当はもうちょっと投げたい思いもあったが、人生長いのでゆっくりやっていければ」と笑顔をみせた。

今季のDLは5戦4勝と圧倒的な成績をマーク。すでに来夏のパリオリンピック(五輪)代表に内定しており、世界選手権、DLファイナルとの「3冠」への期待が懸かる。

帰国後はYogibo Athletics Challenge Cup(9月30~10月1日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム)へエントリーしていたが「ちょっと燃料不足で充電が必要な状態になってしまったので、日本のファンの皆さまの前で投げたい気持ちはありましたが、エントリーしていた新潟は欠場とさせていただきます」と説明。ただ、「日本のファンに会いたいという思いはある」とし、新潟でファンと交流できるイベントを開く予定であると明かした。

◆北口榛花(きたぐち・はるか)1998年(平10)3月16日、北海道旭川市生まれ。3歳で水泳を始め、小学校6年時にバドミントンの全国大会で団体優勝。旭川東高1年時までは競泳と陸上の二刀流。日大へ進学後の19年からダビド・セケラク・コーチ(チェコ)に師事。22年7月の世界選手権(米オレゴン州)で、日本女子の投てき種目では史上初のメダルとなる銅を獲得。23年8月の世界選手権(ブダペスト)で日本女子のフィールド種目初の金メダル獲得。父の幸平さんはパティシエで、ヘーゼルナッツが実る「榛(ハシバミ)」が名前の一部になっている。179センチ。