陸上の女子やり投げで8月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)で金メダルを獲得した北口榛花(25=JAL)が1日、新潟市内で開かれたアスレチックスチャレンジカップ(デンカビッグスワンスタジアム)でのイベントに参加し、ファンへ感謝の思いを伝えた。

今月19日に米国から帰国し、同大会に出場予定だったが、シーズンの疲労を考慮して欠場。「常に私の試合は深夜だったので、その時間も応援してくださった皆さんに感謝の気持ちを伝えられたら」と現地へ赴き、明るい雰囲気で写真撮影などに応じた。

今夏のブダペスト大会では、日本女子フィールド種目で初の金メダルを獲得。さらに9月16日には世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)の年間上位者で争うファイナル(米オレゴン州)でも世界一に輝いた。

ここ数日はテレビ番組にも引っ張りだこで、一気に知名度もアップ。「無防備に歩くと、お声がけいただいて、握手したり、『おめでとう』と声をかけられたり。いろいろな方に見ていただいていたんだな」と反響を実感している。

かねて陸上界の発展について「陸上界だけでなく、外にも伝われば」との思いを抱いていた北口は「少しずつこういう取り組みを増やしていきたい」と笑顔。子どもたちへは「楽しんで、思いっきり走って、思いっきり投げて、思いっきり跳んでほしい」とエールを送った。

すでにシーズンオフに入っており、本格的な練習再開は11月からを予定しているという。シーズン中はチェコを拠点としていることもあり、帰国直後の会見では「焼き肉、お寿司、ソバなどを食べたい」と語っていたが「まだお寿司とソバが食べられていない」と告白。「せっかく新潟にいるので、新潟でコンプリートしたい」と目尻を下げた。

来季の目標はパリ五輪での金メダル獲得と自己新記録となる68メートル超え。その先には世界記録(72メートル28)の更新を見据える。

「自分の夢に向かって、また一段と努力していかないといけない。オリンピックで金メダルを取ることが真の世界一だと思う」

ファンからの声や日本での時間を力に変え、新たなステージへと突き進む。【藤塚大輔】