第100回箱根駅伝(来年1月2、3日)の予選会が14日、東京・立川市で開催される。

本来は関東の大学にのみ参加資格が与えられる大会だが、今回は記念大会として出場資格が全国に拡大。関西からは、立命館大、大阪経済大、京産大、放送大関西の4校がエントリーして、強豪がひしめく大舞台に挑む。

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予選会を1カ月後に控えた9月中旬。立命館大の田中裕介コーチ(38)は、力強く言った。

「(本戦出場の)可能性はなくはない。全員がバシッと走ることが大前提ですが、狙えないことはないのかなというところ。チャレンジした上で狙っていきたい」。早大出身で、関東勢の強さはよく知っている。加えて、9日の出雲から中4日というタフな日程。それでも-。厳しい条件を踏まえた上で、本戦出場枠の13位以内を狙う、という確固たる意志を示した。

挑戦を発表したのは今年3月。1月のミーティングで意見を出し合い、その後4年生の意思を基に決断した。もちろん満場一致で決まったわけではない。11月の全日本と出雲での8位入賞も掲げる中、挑戦できるのか。未経験の選手が多いハーフマラソン(21・0975キロ)を走る選手10人をそろえられるのか。消極的になる要素はいくつもあったが、最終的には、シンプルに「出たい」という選手たちの気持ちに寄り添い、箱根路への挑戦を決めた。

主軸は大森駿斗(3年)。6月の全日本関西地区予選会で単独走を展開し、全体トップの29分22秒60を記録したエース。そんな大森も最初は「興味がない」と後ろ向きだった1人。それでも、今は「大きい目標がひとつ増えるっていうのは、チームが強くなるために必要」と同じ方向を向く。

田中コーチが「狙えないことはない」と言う理由は、夏の取り組みにある。例年1回の夏合宿を2回実施し、隔週で25キロのペース走を敢行。距離に特化した練習で基礎を作り、同時に「長いのは苦手」とする選手の不安を取っ払ってきた。

第101回の出場資格は再び関東勢のみに戻る。「無謀だ」と言われても、諦めずに目指し続けてきた。64年の第40回大会で招待参加し、11位相当の記録を残した関西の雄が、今度は自らの手で切符をつかみに行く。【竹本穂乃加】

◆箱根駅伝予選会 14日午前9時35分号砲。東京・陸上自衛隊立川駐屯地をスタート、国営昭和記念公園でゴールのハーフマラソン(21・0975キロ)で行う。各校14人までの登録選手のうち10~12人が走り、チーム上位10人の合計タイムで争う。記念大会の今年は本戦出場枠が10→13に拡大。出場資格が「関東学生連盟」から「日本学生連合」となり、全国に門戸が開かれた。史上最多57校、関東学連以外は11校が参加。