札幌学院大が14日、東京都立川市内のコースで行われる第100回箱根駅伝予選会に出場する。今回は100回大会を記念し、初めて関東以外の大学が参加可能となった。地方の大学にとっては厳しいレースが予想されるが、30度の全日本大学駅伝出場を誇る同大は、歴史的な予選会で記憶に残る走りを見せるつもりだ。

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札幌学院大にとって歴史的なチャンスが巡ってきた。100回大会を記念し、関東以外の大学の参加が認められ、史上最多の57校が予選会に出場する。道内から唯一の出場となった同大は関東の強豪校がひしめくレースに挑む。全日本大学駅伝北海道地区選考会で最優秀選手賞を獲得した大柳達哉(4年)は「憧れの舞台に出られるので爪痕を残したい」と力を込めた。

箱根駅伝予選会出場を巡っては部内で賛否が分かれた。地方大学に進学したメンバーにとって、11月5日の全日本が本命のレース。10月に予選会出場を組み込むとスケジュールが過密となり、全日本への調整に影響する懸念があった。

当初は反対意見が目立った。月に1回開く学年別のミーティングを重ねていく中で、またとないチャンスを生かすことで各学年の意見がまとまった。3年生は半数以上のメンバーが反対の意思を示していたが、目的を明確化することを条件に賛成することで最終的に意見が一致。渡辺隼翼(3年)は「意味を持って走るなら出たいという意見が多くなった」と経緯を振り返った。

出場資格を得られる1万メートル34分以内の持ちタイムを持つメンバーは約20人いるが、最速の29分台は山田陽翔(2年)のみ。28~29分台の選手を多くそろえる関東勢とは差があるのが実情だ。本戦出場には高いハードルはあるが、テレビ中継がある予選会で目立つ走りを見せるつもりだ。

渡辺は今年の箱根駅伝で序盤をトップ独走して注目を集めた育英大の走りを思い描く。「目立たずに走るのはもったいない。序盤は誰よりも先頭で走ることを目標に挑みたい」となりふり構わぬ姿勢だ。少しでも注目を集め、地方大学への関心を高める。大柳は「予選会に出ることによって、少しでも地方大学に目を向けてもらう機会になれば」と期待した。【石井翔太】

◆箱根駅伝予選会 東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地をスタートし、立川市街地を走ってゴールの国営昭和記念公園までのハーフマラソン(21・0975キロ)で行われる。各校14人までのエントリー選手のうち、10~12人が出場し、チーム上位10人の合計タイムで競う。関東以外からは札幌学院大を含む11校が出場。全体57校のうち上位13校が本戦(24年1月2、3日)の出場権を獲得する。