24年パリオリンピック(五輪)マラソン代表をかけたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が行われ、男子は終盤まで大混戦となり、小山直城(27=ホンダ)が2時間8分57秒(速報値)で優勝、赤崎暁(25=九電工)は2時間9分06秒で2位になり、上位2人に与えられる五輪代表に内定した。

3位は大迫傑(32=ナイキ)で、2位赤崎に5秒差で五輪切符獲得ならず。4位はスタートから飛び出してレースを引っ張った川内優輝(36=AD損保)が入り、ねばりの走りで存在感を発揮した。日本記録保持者の鈴木健吾(28=富士通)は11・8キロ地点で途中棄権。体調不良や股関節痛が続き、この大会が1年7カ月ぶりのマラソン出場だったが、無念のリタイアとなった。また8月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)代表の其田健也(JR東日本)は15キロ手前で右ふくらはぎを押さえ棄権となった。

優勝した小山は「とてもうれしく思っています。いろいろな方に応援頂いたのでいい報告ができてうれしい」とかみしめた。終盤でのスパートについては「自分から仕掛けず集中してレースに臨もうと思っていた。(周りが)出た時に一気にいこうと思っていました」と振り返り、パリの目標には「8位入賞を目指して頑張っていきたい」と力を込めた。

2位でパリ切符をつかんだ赤崎は、大迫の追い上げを振り切りガッツポーズでゴール。「まさかオリンピックで代表になれるとは思っていなかった。気持ちが爆発してしてしまいました」と振り返った。

レースはスタートから川内がハイペースで飛び出して独走。小山らは50人近い2位集団でペースの中で追った。25キロ地点では川内との差は41秒まで広がったが、30キロすぎて少しずつ差を詰めて、35・2キロ地点で7人に絞られた2位集団が川内をとらえてトップに立った。

その後、先頭集団から小山が39キロ手前でスパート。大迫、赤崎、必死に食らい付いた川内を一気に突き放してゴールまで独走してゴールを駆け抜けた。

パリ五輪のマラソン日本代表は男女各3枠で、残る1枠はMGCファイナルチャレンジで決定。大迫、川内、鈴木、其田ら今大会で出場権をつかめなかった選手は、ファイナルチャレンジ指定大会の福岡国際マラソン(23年12月3日)、大阪マラソン(24年2月25日)、東京マラソン(24年3月3日)のいずれかで設定記録の2時間5分50秒を上回るタイムを残す必要がある。この3レースで設定記録を上回る選手がいない場合は、今大会3位の大迫が代表権を得る。