女子は鈴木優花(24=第一生命グループ)が2時間24分9秒で1位、一山麻緒(26=資生堂)が2時間24分43秒で2位になり、代表に決まった。

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鈴木が右手を高く上げ、とびきりの笑顔を見せながらトップでゴールテープを切った。「MGC初出場でとても緊張してたけど、自分らしい、冷静かつ大胆にという走りをした中で勝ち取れたのはうれしい」。

マラソン3回目だが、雨が降りしきる悪条件にも負けずに自己最高2時間24分9秒を記録。37キロすぎで2位集団から抜けだすと、38・4キロで先頭に並び、一山をかわしてトップへ。東京五輪8位の最強ライバルに34秒の差をつけ、パリ五輪代表の座をつかんだ。

大東大時代から走るたびに記録を塗り替えた逸材。初マラソンとなった22年3月の名古屋ウィメンズで、日本学生新記録の2時間25分2秒で5位に入った。92年バルセロナ五輪4位の山下佐知子監督も「ポテンシャルの高さはこれまで見てきた中でかなりのもの」と太鼓判を押す。物おじせず押していく姿勢、期待以上の記録を出す感覚の良さ。昨年10月のプリンセス駅伝で後半に失速した経験から「ガツガツ」でなく「冷静に、大胆に」へ路線変更したことも功を奏した。

同い年の田中希実の活躍に「刺激を受ける」という24歳。目標とする大舞台を射止めたが「スタートラインにすぎない」と気を引き締めた。【竹本穂乃加】

◆鈴木優花(すずき・ゆうか)1999年(平11)9月14日、秋田・大仙市生まれ。中仙中時代はバスケットボール部。大曲高で本格的に陸上に取り組み始め、大東大時代には全日本大学女子駅伝で3年連続で区間賞。初マラソンは22年3月の名古屋ウィメンズで、日本学生新記録の2時間25分2秒で5位。161センチ。