第100回箱根駅伝(来年1月2、3日)に、4年ぶりに出場する日本大が16日、東京・世田谷区の同大文理学部キャンパスで、取材会を行った。

下尾悠真主将(4年)は「最初で最後の箱根駅伝になる。4年ぶりの思いをたすきに込めたい」と意気込みを示した。箱根12回優勝の伝統校だが、7位に入った第90回大会以降、低迷。ここ3大会は出場も逃していた。

やっとの思いで、つかんだ箱根路に「4年間目標にしてきた舞台で、楽しみという気持ちが一番。しんどい練習もたくさんやってきたので、結果にもこだわりたい」と力を込めた。

4度の監督交代など苦悩の3年間だった。下尾が2年生だった21年に再登板した小川聡前監督は体調不良のため、昨年7月に辞任。約3カ月後に肝硬変のため、帰らぬ人となった。下尾は、小川前監督から「お前が中心になってやっていけ」と力強い期待をかけられていたが、ここまで年始の晴れ舞台に立つことはできなかった。

複数回の監督交代があったこともあり「練習メニューも毎年のように変わって、苦しい3年間だった」と正直に明かした。練習に監督不在の期間もあり、思うような練習ができなかったこともあった。

そんな状況の中で、今年5月に就任したのが、同大OBで岡山・倉敷高を高校駅伝で3度の全国制覇に導いた新雅弘監督(62)。名将の就任に下尾は「一番の変化は練習量。2倍くらいに走行距離が増えました」。夏合宿では、昨年は500キロに満たなかったが、今年は1000キロ近くにまで倍増。「全員がそのくらいの距離を踏んだ」と練習量に自信をのぞかせた。

小川前監督にも思いをめぐらせ、「空から見てくれていると思うので、本当に強くなったんだぞというのを見せたい」と引き締めた。目標は「1本のたすきを最後までつなぐこと」と順位はあえて口にせず。思いを背負って箱根路を駆け抜ける。【村山玄】

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