21年東京オリンピック(五輪)男子マラソン6位入賞の大迫傑(32=ナイキ)が、来夏のパリ五輪への心境を口にした。

20日、都内で開かれたナイキのシューズに関する取材会に出席。今年1年を「忙しかった」と総括した。

大迫は東京五輪で1度は現役を退いたものの、昨年2月に現役復帰を表明し、同11月にニューヨークシティ・マラソンで復帰。今年は3月に東京マラソンに出場すると、10月にはパリ五輪代表選考会のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)で3位になった。「ゆっくりする性格じゃない」と自身を客観視した上で「どんどんやりたいことが出てきたのは、忙しいけど楽しい1年だった。いつも新しい刺激に囲まれていた感じでした」と笑顔をみせた。

MGCで3位になったことで、残りのMGCファイナルチャレンジ対象大会の大阪マラソン(来年2月)、東京マラソン(同3月)で2時間5分50秒を突破する選手がいない場合や、自身が2大会どちらかで同タイムを上回ったうえで最速記録を残せば、2大会連続の五輪代表に内定する。

世間からの期待も高まるが「『どうしても出たいんでしょ?』というノリで言われるが、(五輪への)熱量は違う。シックスメジャーズ(世界6大マラソン)があるので、そこで世界と勝負するチャンスはある」とサラリ。「そこは世間の熱量と差がある。走り始めたらモチベーションはあるが、そこ(五輪)じゃなくていい。あらゆるところでベストを尽くして世界と近づくだけ。よりニュートラル、よりフラットに」とパリ五輪には強くこだわらない姿勢を強調した。

MGC後には11月の八王子ロングディスタンスで1万メートルに出場し、28分19秒31をマーク。来年1月1日の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)での出走を予定していることもあり、現在はスピード強化に重きを置いているという。「マラソントレーニングよりもスピードをしっかり戻して、マラソン練習をした時に余裕度が持てるようにしたい」と見通した。